マイクロソフト「Kinect」のロボット業界への浸透が進む!
今度はゼットエムピーが「RoboCar 1/10 Lite」に搭載
1/10サイズから1/1まで、電気自動車やカーロボティクス・プラットフォーム分野をリードする株式会社ゼットエムピー。同社は、同分野の低価格モデルである「RoboCar 1/10 Lite」にKinectを搭載したバージョンを開発したことを発表。8月01日より受注を開始した。Kinect版は、RoboCar 1/10 Lite本体、Kinect本体、同ロボットカーへの接続部品、サンプルプログラムなどを同梱した内容だ。また、既存のRoboCar 1/10およびRoboCar 1/10 Liteユーザー向けに、追加キットも用意されている。
RoboCar 1/10 Liteは、従来は画像認識系として、ステレオカメラと、ルネサスエレクトロニクス株式会社製の車両用画像認識CPU「IMAPCAR」を搭載したリアルタイム処理型の画像認識システム「RoboVison」を搭載している。今回は、そのステレオカメラとRoboVisonシステムをマイクロソフトの家庭用ゲーム機Xbox 360のモーションセンサ型コントローラ「Kinect」に置き換えたというわけだ。
同社がKinect版を開発した理由は、Kinectが世界的に広く普及していることから、次世代自動車の研究だけでなく、「楽しく」自律移動ロボットの開発に参加するユーザが増えることが期待できるからとする。用途例としては、車体や障害物などとの距離計測(右下画像は、Kinectを通した距離画像)、障害物の手前での停止、障害物を回避しての走行、前方のクルマや歩行者に対する追随走行、人のジェスチャーや音声を認識するアプリケーション、音源の位置を検出するアプリケーションなどだ。
今回のKinect版の発表に際し、日本マイクロソフト株式会社最高技術責任者の加治佐俊一氏もコメントを寄せる。「Xbox 360 Kinectセンサーを搭載した『RoboCar 1/10 Lite』のご提供、誠におめでとうございます。ゼットエムピー様とは、ロボティクス分野のパートナーとして、『Microsoft Robotics Developer Studio』をいち早く採用した教育機関向けの二足歩行ロボット教材『e-nuvo WALK ver.3』を提供いただくなど、先進的な取り組みに向けた連携をしてきました。コントローラーを使わずに、自分自身の体を使って直感的にゲームができるKinectセンサーを搭載した『RoboCar 1/10 Lite』のご提供により、次世代の自動車やロボットなどの革新的な進化につながることを期待しています」とした。
価格は、RoboCar 1/10 LiteとKinectのセットで、企業向けが73万2900円(税込)、アカデミック向けが62万7900円(税込)。既存のRoboCar 1/10およびRoboCar 1/10 Liteユーザー向けの追加キットは、企業向けが41万7900円(税込)、アカデミック向けが31万2900円(税込)となっている。