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ミステル・タマオ総統を夜のナンコシで直撃!
ロボットプロレス「できんのか!8」の見所を聞く!! (前編)

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ロボット・プロレス「できんのか!」を追いかけてきた東京ロボスポーツ新聞にとって、2011年最初の興行となる「できんのか!8」(ホビーロボットコロッセオ内で開催)は非常に気になるところだ。そこで、主催者のミステル・タマオ総統を直撃することにした。しかし、あいにく連絡が取れない。そこで、いろいろなツテをたどったところ、総統は埼玉県越谷市屈指の歓楽街・南越谷(ナンコシ)の夜に頻繁に出没するという情報をキャッチした。「できんのか!」番記者は東武伊勢崎線の準急に堀切駅から乗り込んで現地へ向かった。

総統は、このナンコシの歓楽街で、中でも松屋、吉野家、日高屋によく出没するという。総統にとっての、ナンコシの食の三銃士というわけだ。そこで、その3店を巡回しつつ、脳内BGMで山さんのテーマをかけながらハリコミ。興行がある時以外は毎晩出没しているというウワサもあるので、それが頼りだ。そして、張り込むこと5時間、今夜は外れなのかと思った夜中の0時過ぎ、総統が松屋にやってきた!

ここは逃すことはできないので無理をいってインタビューを受けていただこうと交渉すると、こんな時間にも関わらず、快諾していただいた。9月04日(日)に静岡県コンベンションセンター「グランシップ」で開催される「できんのか!8」(無料観戦可能)についての見所を聞かせていただいた。前後編に分けてお届けだ。(インタビューでの敬称は省略させていただいた)

-:今日はオフなのに、無粋なことをして申し訳ございません。「できんのか!8」の魅力について、ぜひインタビューをしたかったのですが、受けていただけますでしょうか。

総統:何でも聞いてよ。まぁ、立ち話も疲れるし、行きつけの店に行きましょうか。

-:ほんとですか! さすがは、ナンコシの夜を知り尽くした男。高級なお店ですよね!? (10分ほど歩く)……というか、ここファミレスですね。

総統:まぁ、行きつけなのは間違いないし。

-:入るのもはばかるような、もっと高級なお店とか、両脇にきれいな女性が座ってくれるようなお店を期待していたんですけどね。

総統:そんなところでインタビューできないでしょ。まぁ、とにかくおごるから、何でも好きなものを好きなだけ飲んで。

-:ドンペリのドンペリ割りとか? ……あぁ、ドリンクバーですね。じゃあ、コーラで。いやぁ、太っ腹な配慮、ありがとうございます。では、気を取り直して、インタビューを。スペイン語、わからないんですけど、大丈夫ですかね。

画像02 総統:日本語もバッチリだから大丈夫ですよ。細かいニュアンスとかになると、スペイン語の方が確かに楽なんですけどね。

-:助かります。スペイン語は、自分はさすがに「セニョール、セニョリータ、エル・ウラカン、ルチャ・リブレ」ぐらいしかわからないので。それでは、改めて「できんのか!8」の見所について、教えていただけますか。

総統:まずはポスターから見てほしいんです。

-:ポスターですか? 何かメッセージが込められているとか?

総統:そう、その通り。ポスターの左上には、「私たちはロボットで、感心ではなく感動したい」と書いてあるんです。詳しくはポスターのPDFを用意したから、それを見てほしい(ダウンロードはこちら)。今までのホビーロボットというのは、感心されるだけで終わっていた。「うわー動いた! うわー立ち上がった」ってね。でも、それを感動へ昇華していけないかと考えているんです。

-:ふむふむ。マジメに考えていますね。

総統:まぁ、きっかけは、小惑星探査機の「はやぶさ」だったんですけどね。あれもロボットだし。はやぶさは満身創痍で地球に帰ってきたというシチュエーションに、もうみんな泣いたじゃないですか。しかし、もし予定通りになんのトラブルもなく帰ってきていたら、きっと世間一般は「ふーん」で終わっていたんじゃないかと。実際、最後の引退の時はまだしも、スペースシャトルなんか、宇宙に飛んでいっても帰ってきても、一般の人たちが関心を持ったとしても、「今回は事故を起こさなくてよかったね」がせいぜいですよね?

-:まぁ、確かに。

総統:でも、はやぶさは小惑星イトカワのかけらを持っているのかいないのかわからないという、ミッション的には失敗の可能性もある状態で帰ってきたにも関わらず、あの大フィーバーとなった。それは、その旅路がトラブルだらけで苦難に次ぐ苦難を乗り越え、最後はカプセルを届けるために自らを犠牲にしてオーストラリアの夜空で燃え尽きたから、人々の感動を呼んだわけじゃないですか。ボロボロになりながらも帰ってきたというだけで感動できたわけです。

-:ですねぇ。自分も、映画を見てガチ泣きしちゃいましたよ。未だに思い出しただけでも涙腺がゆるみます。くぅ……(涙目)。

総統:落ち着いて(笑)。そこで、感心と感動の違いって何だろうと考え始めたわけなんですよ。ホビーロボットは、今はまだ感心の対象。さっきもいったように、「立ったすごーい」とか。最初は、「まさか歩くとは」だけで感心できたんだけど、今はさすがに見慣れてきてますよね。もちろん、初めて生で見る人にとってはそれだけでもスゴイだろうけど、もう二足歩行ロボットが歩くのは大して珍しくない雰囲気になっている。そういったところを、感心から感動へと昇華させるには、何をすればいいのかを考え始めたわけです。

画像03 -:見かけがマスクマンだから、ただ目立ちたいだけなのかと思いきや、マジメに考えているわけですね。

総統:自分は本気ですから。

-:ちなみに、「感動させる」という点で、何か影響を受けたものとか、参考にしたものはありますか?

総統:プロレスとAKBですね。

-:プロレスはわかるんですけど、なぜAKB? 個人的に好きなのは存じておりますが。ツイッターでよくつぶやいているのを見かけますが。

総統:(笑)。いや、AKBをただのアイドルグループだからと、バカにしちゃあいけません。あの方法論を参考にしなかったら、エンターテイメントに関わるものとしては失格だと思います。そもそも……(2時間ほどAKBに対する熱い思いを語る)

-:熱い気持ちは理解させていただきました。でも、スペースもないし、気力もないので、そこら辺はまたの機会ということで。

総統:仕方ないですね。まぁ、いいか。それで、いろいろと考えていたところで、震災が起きたわけです。これでまたもっと考えさせられることになった。ロボットの意味を考えた時に、被災者の人たちにただ感心させられるだけでは役に立たないことに気がついたわけです。関心事を提供しても、「だから?」でしょうし。感動させて初めて、勇気とかやる気とかを与えられるんじゃないかと思うわけです。それがホビー・ロボットの役割だと。

-:確かに。

総統:とにかく、感動とはなんぞやということをずっと考えてきたわけで、その考えてきたことを「できんのか!」で表現していきたいと思ってます。

-:なるほどなるほど。しかし、感動を与えるというのは大変ですね。

総統:簡単ではないですね。でも、今回は少しでも被災された方たちに元気を出してもらおうと、各ロボットたちのメッセージをポスターに貼り付けています。ロボットたちも応援しているということで、少しでも元気を出してもらえたらと思っています。

-:……いやぁ、今日はマジメな話しか出てこないじゃないですか。

画像04 総統:いや、常にマジメですって(笑)。

-:すみません、失礼しました。ポスターのメッセージのことはわかりましたので、それでは内容面に関する見所について教えていただけますか。

総統:今回は、今までの総決算を観られるようにしました。これまでは長井(山形)と草加、秋葉原(ROBOSPOT)などでやってきたのですが、どこも聖地的な場所での開催なんですね。しかし、今回は初めて純粋な地方開催なんですよ。というわけで、メンバーを選抜して、「できんのか!」を集約してすべての要素を見せられる3試合を予定しています。(後編に続く

埼玉県草加市生まれの謎のメキシカン、ミステル・タマオ総統への「できんのか!8」についてのインタビュー後編は、全カードについて掘り下げる。

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