9月11日予定だった観測ロケット「S-520-26号機」
こちらも打ち上げ延期で時期は未定
独立行政法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)は9月07日、内之浦宇宙空間観測所から9月11日打ち上げを予定していた観測ロケット「S-520-26号機」の搭載観測機器に不具合を発見したため、打ち上げを延期したことを発表した。新しい打ち上げ日はまだ決定していない。
S-520-26号機は全長8m、全重量2.2t、搭載機器重量120kgというHII-Aなどと比較すると小型のロケット(右下の画像は16号機)。到達高度は290km、水平距離は600kmとなっている。
今回の実験内容は、「熱圏中性大気とプラズマの結合過程解明」を目的としたもので、熱圏下部(高度約80~300km)における中性大気とプラズマ(電離大気)の運動を観測し、両社の結合過程を実験的に実証するというもの(左上の画像)。熱圏下部を飛翔するS-520-26号機によって中性大気、プラズマ、電場、磁場の直接観測を実施し、中性-電離大気間のエネルギー交換を含む物理過程に関与するさらなる理解を目指すとしている。中性大気の運動については、S-520-26号機から放出されたリチウムの発光雲(太陽光で赤く光る)の時間的な変化を、地上の3ヶ所から観測する予定。