サブカテゴリアイコン-コラム一覧 サブカテゴリアイコン-キーマン記事一覧 サブカテゴリアイコン-活躍する女性たち記事一覧 サブカテゴリアイコン-ショップ探訪記記事一覧 サブカテゴリアイコン-ロボットのいる施設記事一覧 サブカテゴリアイコン-編集長コラム記事一覧

TOP >  コラム >  ロボットのいる施設を訪ねて >  第3回:パートナーロボットやパーソナルモビリティが待つ トヨタの「MEGA WEB」&「アムラックス東京」

【ロボットのいる施設を訪ねて】第3回:トヨタパートナーロボットや
パーソナルモビリティが待つ「MEGA WEB」&「アムラックス東京」

画像01

ロボットのいる施設を訪ねて回る当コラム。今回は、お台場のMEGA WEBと池袋のアムラックス東京のふたつをまとめて紹介する。トヨタ自動車(運営は系列会社の株式会社アムラックストヨタ)のテーマパークなわけだが、なぜロボットに関係があるかといえば、もちろんトヨタパートナーロボットやパーソナルモビリティなどを展示していたり、それらの演奏デモや体験試乗会などを行っているからだ。しかも無料で入館できるので、ロボット好きにとってはちょっとした穴場的な施設なのである。

それでは、まずはMEGA WEBから紹介していこう。MEGA WEBは、お台場を走る新交通ゆりかめもの青海駅に隣接するパレットタウンの一施設として、1999年03月にオープンした。その名称には、「大きなネットワークの源に」という願いが込められている。3つのパビリオン(施設)からなり、中核となる「トヨタ シティショウケース」(以下、CSC)、ユニバーサルデザインとロボットを扱う「トヨタ ユニバーサルデザインショウケース」(以下、UDS)、そしてヒストリックカーを扱う「ヒストリーガレージ」となっている(そのほか試乗コースの「ライドワン」や小型EVコミューター「E-comライド」などもある)。

MEGA WEBというと、トヨタおよびレクサスの販売中の大多数の車種が展示されているCSCとイコールのイメージが強いのだが、同施設の特徴は、とにかく立体的に広大だということ。フロアそのものは2フロアしかないのだが、あまりにも平面的に広く、天井も高いので、建物内とは感じられないほどである。ここの2階の海側に最も寄った区画「デザインサイト」には、これまでトヨタが開発してきたパーソナルモビリティシリーズの「PM」や「i-swing」、「i-unit」が展示されている(編集部注:取材後しばらくして同コーナーはなくなり、PMは2011年現在は撤去され、i-swingやi-unitはUDSに移設されました)。

前述したようにロボットを扱っているのがUDSだが、ここはCSCから大観覧車側に出てその足下を通り、歩いて1分ほどで到着する施設だ。トヨタのクルマがユニバーサルデザインの観点から見て、どのように進歩を遂げてきたかを確かめられる施設となっている。また、ユニバーサルデザインを採用している家電や道具なども数多く展示されている形だ。さらに、トヨタのウェルキャブ(福祉車両)も多数が展示され、試乗も行なえるようになっている。そして、ロボットの展示やデモが一番行われているのもここというわけだ。

画像03

UDSに入ってすぐのところで出迎えてくれるのが、トヨタパートナーロボットの代名詞的な1台、二足歩行型のトランペット奏者タイプ(以下、トランペットロボ)。毎日演奏デモを行っており、平日は15時と17時の1日2回、土日祝日はそれに13時を加えた3回となっている。トランペットロボは、人工唇に人工肺を備え、また指を繊細に動かせることが特徴。そのため、実際にトランペットをその場で吹いているのである。曲は、「ビビデバビデブ」や「ルパン三世」などで、生演奏なので意外と迫力がある(トランペットの独奏もあれば、楽曲をバックにトランペットパートを担当する場合もある)。同時に、このパートナーロボットは常時展示もされており、演奏していない時もその姿を拝見できるようになっている。

トランペットロボのスペックは、全高が1450mm、楽器込みの重量が40kg、自由度が31というもの。また複数台が作られており、確認できているだけでも、MEGA WEB、アムラックス東京、トヨタ会館(名古屋)などで現在も演奏中だ。ちなみに、スタッフの間だけの非公式なものも含めて特に愛称などはないということだが、以前にトヨタ会館でドラムスロボ、チューバロボ、2輪車型のトランペットロボとカルテットを組んで演奏していたトランペットロボの1台は、ハリーという愛称もつけられていた(カルテットのリーダーも担当)。ちなみに、そのほかのロボットの愛称は、ドラムスがリッチー、チューバがチャック、2輪車型トランペットがデイブだ。

そして、そのすぐ横に展示されているのが、「愛・地球博」でも大変な注目を浴びた1台、階段も昇降できる三次元モビリティを目指して開発された搭乗歩行型ロボット「i-foot」だ。製作された台数そのものが少ないのだが、その希少な1台がここで展示されているのである。スペックは、全高が2360mm、重量が200kg、自由度が12、可搬重量が60kg、歩行速度が時速1.35km/hというもの。搭乗型ロボットとしては、世界最大級の1台といえるだろう。ただし、残念なことにMEGA WEBでは動作デモは行われておらず、展示されているのみとなっている。とはいっても、かなり間近で見られるので、その巨体を堪能していただきたい。

画像05

また、UDSで定期的に行なわれるイベントが、パーソナルモビリティの体験試乗会だ。UDSの最も奥のスペース、福祉車両の展示ゾーンの3分の1ぐらいを使った試乗エリアが設けられており、2010年10月現在もWingletとi-REALで実施中である(31日まで)。ちなみに、Wingletは、倒立振子型の平行2輪式パーソナルモビリティ。立って乗り、重心移動で前進後進、スキーの感覚で力を入れた足とは逆の方に旋回する仕組みだ。初心者向けのグリップのあるType L、脚だけでコントロールする形になるType M、そして最も小型で軽量で、折りたたんで持ち運ぶこともできるスポーティなType Sの3種類がある。こちらの体験試乗会は、平日は14時15分から1回、土日祝日はそれに17時15分を加えた2回実施中だ。試乗可能な人数は、各回先着5名。ちなみに、体験試乗会では初心者向けのType Lにのみ乗れる形だ。

ひとり乗りのバッテリ駆動の着座型パーソナルモビリティをトヨタは近年東京モーターショーや愛・地球博などでこれまで4モデル披露してきているが、その中で最も新しいのがi-REALだ(2007年の第40回東京モーターショーに出展)。初期バージョンのほか、近年セントレア空港での実証実験用に新しく製作された「i-REAL Ann」(名称は案内にちなんだもの)と「i-REAL Kei」(名称は警備にちなんだもの)、上海万博バージョンなどが複数があるが、UDSにあるのは初期バージョンである。セントレア空港での実証実験が終了し、上海万博も終了が間近いので、i-REAL Annとi-REAL Kei、上海万博バージョンも将来的にはMEGA WEBに展示するという話も出ているということなので、楽しみに待ちたい。i-REALの体験試乗会は平日も土日祝日も1日2回実施され、平日は15時15分と16時15分、土日祝日は16時15分と18時15分。

そのほか、体験試乗会の手前のエリアにはトヨタのパーソナルモビリティの1台「i-unit」が解説パネル付きで、2台展示されている(i-unitはMEGA WEBだけで3台も展示されている)。そしてロボット技術が利用されているのが、ウェルキャブ仕様のクルマたちだ。電動車いすにもなる運転席や助手席、後部席などもあり、それをロボットアームが乗り降りさせてくれたりするシステムが今のクルマにはオプションで装着できるのである。

画像07

 MEGA WEBのロボット関連は以上だが、もうひとつの施設「ヒストリーガレージ」も紹介しておこう。これは、トヨタ シティショウケースからUDSとは反対側に出て、ヴィーナスフォートの中を先へと行った奥にある。ちょっと飛び地になっているため、独立した施設に見えるが、こちらもMEGA WEBの施設のひとつだ(実は試乗コース「ライドワン」から見るとつながっているのがわかる)。ヒストリーということからわかるように、古くは1950年代からの日欧米のヒストリックカーが展示されている施設だ。ただし、メカ好き、SF好きが興味を持つであろう1台もある。タイムトラベルものの傑作SF映画シリーズ「バック・トゥ・ザ・フューチャー」で、主役マシンとして活躍した「デロリアン(DMC-12)」が展示されているのだ。ご存じの方も多いかと思うが、デロリアンは映画オリジナルの機体ではなく、当時のGM副社長だったジョン・ザイッカリー・デロリアンが企画し、ロータスがシャシーを、スタイリングはジウジアーロが担当し、1981年に誕生した実車だったのである。MEGA WEBを訪ねた際は、ぜひとも足を運んでいただきたい。

以上でMEGA WEBの紹介を終了し、続いては池袋のアムラックス東京だ。こちらは、JR、東武東上線、西武池袋線、東京メトロの丸ノ内線・有楽町線・副都心線が合流する池袋駅の東口(西武線側)からサンシャイン60へ向かう途中(というか、サンシャイン60の隣にあるようなもの)という、一等地にある。1990年09月にオープンした。MEGA WEBと比較すると流石にワンフロアの面積はないが、その分、地下2階から地上5階までの7層構造で、新車の展示やアムラックスシアター、さらにはイベント用のホールなどまで用意してお客さんを楽しませている。そしてアムラックス東京で驚かされるのが、「歴女向け」ということでゲームやアニメなどで有名な「戦国BASARA」のイベントなどを行ったりもすること。乙女ロードがある池袋という土地柄を意識したものと思われるが、トヨタの施設で催されるのには驚きである。そのほか、「こども店長」の加藤清史郎くんが来館して1日館長を務めたりすることも。ちなみに、2010年10月現在は、オープン20周年を迎えたことから、31日まではそれを祝した「秋の大感謝祭」を実施中だ。

画像09

 そして、前述したようにこちらもまたパートナーロボットの活躍の場でもある。MEGA WEBほど常設展示はないのだが、二足歩行型トランペットロボが1台常駐している。毎日ではないが、土日祝日には演奏デモも行っている形だ。10月は9、10、11、16、17、23、30、31日に演奏を行う。時間は12時、13時45分、15時30分の3回だが、16日と17日は4回目の17時の回がある。

そのほか、今月31日までの期間限定イベントとしては、「ここでしか乗れない!!“プリウス プラグインハイブリッド”スペシャル体感試乗会 in アムラックス」も実施中だ。1日7組限定で、無料で20分間(試乗イベント自体は40分間だが、10分がレクチャー、10分がインストラクターによる運転となる)実際に自分で運転が可能となっている。家庭用電源で充電できることから、非常に期待されている「プリウス プラグインハイブリッド」の乗り心地を試したければ、アムラックス東京へ足を運ぼう。

前の記事へ ページトップへ 次の記事へ 前の記事へ ページトップへ 次の記事へ