第23回KONDO CUPオープンクラスリポート
スピード☆スターズの黄金時代到来か!?
去る12月03日と4日に秋葉原のKONDO ROBOSPOTで開催された、ロボットサッカー大会第23回KONDO CUP。リポートが遅れてしまったが、初日KHRクラスのリポート(記事はこちら)に続いて、2日目のオープンクラスをお届けする。
前回の第22回大会では、「ヒマそうなんで、助っ人として参加してください(笑)」とROBOSPOTの引間店長に声をかけられ(取材のはずだったのだが)、キャプテンのイガア氏率いるチームロボスポにROBOSPOTの体験用などに使われているKHR3-HVで参加。ロボットサッカー初体験をした記者だったが、ゴールキーパーを担当したイガア氏のサアガのスーパーロングスローで、まさかの優勝体験までしてしまったのである。KHR-3HVはさすがにガルーなどのハイパワー機との対決は厳しかったが、操作性がよく、格闘技とは異なるのでポジション取りさえうまくいけば得点を狙えたので、実に面白かった。思わず取材どころではなくなってしまうほど夢中になってしまい(苦笑)、写真も動画もまともに撮れない事態となってしまったが、とてもいい経験をさせていただいた次第である。引間店長を初めとするROBOSPOTのスタッフのみなさんと、イガア氏には感謝したい。
しかし、このキーパーのスーパーロングスロー作戦が、「キーパーが強ければフィールドプレーヤーが初心者であっても何もしなくても勝ててしまう」ため、第23回からはルール改正。キックはいいが、キーパーがスローイングする際はハーフラインを超えてはならないことになったのである。もっとも、この戦術は、以前からサッカーらしくないとして問題になっていた。イガア氏も一度その戦法で負けたことから、今回、あえて問題をもっと表面化させるべくその戦法を実行。結果として初体験1名を含む急造チームにも関わらず実際に優勝してしまったことで、問題ありとしてルール改正に至ったのである。メディアである自分が試合に出た挙げ句に優勝をするわ、ルール改正のきっかけになるわで、なんだか妙な感じだったが、なにはともあれ、そんなイキサツのあった第22回から第23回への流れである。
KONDO CUPのオープンクラスは、近藤科学株式会社製のサーボモータなら何を使用している機体でも参加できるので、4000番台の強力な製品を積んだ機体が何機もいる。もちろん、体格などのサイズがレギュレーションに合致していれば、6000番台を使用している機体でもOKだ。そんな中、小型軽量でハイパワーという、慣性が小さいことから来る小回りの利き具合を武器に、チームの3機統一したコンセプトで作られているのがスピード☆スターズだ。前回は個人で参加していたイガア氏がキャプテンのチームである。2位で通過したのは、0-0、1-0、0-0、3-0の2勝2分けで勝ち点8の得失点差+4だった個人参加ロボ道楽だ。
そして決勝戦は、スピード☆スターズ対個人参加ロボ道楽。本来なら、くぱぱ&くままさんご夫婦のクロムキッドとガルーは、チーム・トリニティに所属しているのだが、今回ははチームメイトが揃うことができず、助っ人に入ってもらった個人参加チームとなったという具合。予選リーグでは引き分けた両チームだったが、決勝も同様に一進一退の好勝負を展開し、延長戦に突入。しかし、そこで力尽きたのがガルーだ。決勝開始時点で異臭がしていたそうだが、サーボモータが長時間の稼働で熱を持ちすぎてしまったようで、本来なら大ケガで即選手交代という状況。残念なことに控え選手がいないため、無理矢理ゴール前に立って障害物として立ちはだかろうとしたが、機動力のあるサアガには通用せず。スピード☆スターズが優勝を飾り、イガア氏自身は2大会連続の優勝となった。
また、この大会で2010年のKONDO CUPの最終戦となったが、2011年も引き続き開催していくというアナウンスも。そしてこの後半月後の23日には、多脚型ロボットによる障害物レース「第1回KONDOランド」が実施され、ROBOSPOTは年の瀬まで賑わっていた。第1回KONDOランドのリポート記事は、また後ほど改めてお届けする。