ホンダと熊本県が次世代パーソナルモビリティの
実証実験の包括協定を締結
本田技研工業株式会社(以下、ホンダ)は8月05日、熊本県と「次世代パーソナルモビリティの実証実験に関する包括協定」を締結したことを発表した。同日、熊本県庁にて、蒲島郁夫熊本県知事と伊東孝紳ホンダ取締役社長の出席のもと、締結式典が実施された。実証実験は、2010年内に、熊本県内でスタートする。
今回の協定は、ホンダの2輪車・4輪車並びにそのほかの汎用製品の電動化技術や情報通信技術、太陽光発電によるエネルギー供給設備などを用いて、熊本県と共同で将来の低炭素社会の実現や県民の生活の質の向上に向け、都市交通環境下での実証実験を行うことを目的としている。
同協定で取り組む主な協力項目は、3つある。ひとつが、電気自動車やプラグインハイブリッド車の実験車両、電動2輪車「EV-neo」(2010年12月リリース予定)、電動カート「モンパルML200」といった電動化技術を用いた次世代パーソナルモビリティの、都市高通下における効果的な運用に向けた検証。ふたつ目は、次世代パーソナルモビリティと、太陽光発電などの持続可能なエネルギー活用、普及促進などの地球温暖化対策。そして3つ目が、地域社会における熊本県民の生活の質の向上に貢献できる「将来のパーソナルモビリティのあり方」の検討。具体的には、高齢化社会での生活の質の向上に向け、モンパルML200を活用した、県内公共エリアでのシェアリングなど、パーソナルモビリティの新たな活用法の効果検証を実施していく。
ホンダが熊本県と協定を結んだ理由としては、同社の事業所や子会社が熊本県に複数あることが大きい模様だ。EV-neoやモンパル ML200を生産している同社の熊本製作所、薄膜太陽電池の開発および生産を行っている同社の100パーセント子会社のホンダソルテック、同社および熊本県と宇城市が共同出資している障害者雇用の特例子会社で部品生産担当の希望の里ホンダのホンダ事業所などがある。もともと、他の分野でも協力関係にあるということが大きかったようだ。今回の実証実験により、ホンダは熊本県民へのさなる貢献を目指すとしている。
蒲島県知事は、「熊本県をフィールドに、ホンダと共同で実証実験ができることを、大変嬉しく思います。本県が取り組んでいるCO2削減やソーラー発電の普及、さらには高齢者が主役の地域づくりの取り組みにも弾みがつくものと期待しています」コメント。一方の伊東ホンダ取締役社長は、「長きにわたって協力関係にある熊本県と共同で、実証実験を行えることを大変嬉しく思います。将来の低炭素化社会の実現と、熊本県民の皆様のQOL向上により、ホンダとしてさらに地域に貢献できるよう、熊本県と共に取り組んでまいります」としている。