ゼットエムピーと日本ナショナルインスツルメンツ
提携で「RoboCar」の開発が「LabVIEW」上で可能に
株式会社ゼットエムピー(以下、ZMP)と、日本ナショナルインスツルメンツ株式会社(以下、日本NI)は5月17日、自動車メーカーにおけるカーロボティクスの設計・開発の加速化を目的として、技術的提携を行うことを発表した。これにより、グラフィカルな開発環境で知られる日本NIの「LabVIEW」上で、ZMPが提供するカーロボティクス技術を搭載した1/10スケールの電気自動車開発用プラットフォーム「RoboCar」の開発が可能となる。
具体的には、RoboCarのセンサが収集した情報をLabVIEW上で解析したり、RoboCarの状態をリアルタイムでモニタリングするといったことを行える形だ。さらに、設計から実装までの開発環境をLabVIEWに統一できるので、エンジニアはミドルウェアの開発に煩わされることがなくなり、肝心なアルゴリズムの開発に集中できるようになる。
すでにLabVIEWおよびRoboCarのユーザーも今回の技術提携の恩恵を授かることができ、LabVIEWユーザーはRoboCarを実装でき、RoboCarユーザーは開発環境としてLabVIEWを選べるようになる次第だ。
今後の展開としては、リアルタイムプロセッサとFPGA(Field Programmable Array)チップ、アナログ/デジタルI/Oをひとつのボードに搭載している日本NI製シングルボード「RIO」をRoboCarに搭載し、リアルタイムOSやFPGAを用いた制御アルゴリズムの開発を「LabVIEW Real-Time」および「LabVIEW FPGA」で行えるようにするとした。ちなみに、LabVIEW Real-TimeとLabVIEW FPGAは、LabVIEWのアドオンモジュールの一種。前者は信頼性・確定性に優れたリアルタイムデータ収集および制御アプリケーションの設計を可能とし、後者はRIOのハードウェアに搭載されたFPGAチップをグラフィカルに再構成することが可能となっている。
ZMPでは、これら日本NI製ソフトウェアおよびハードウェアを使用することで、設計段階で構築したプログラムをほぼ変更することなく実装できる仕組みを目指しているとした。