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TOP >  メディア >  そのほか(雑誌) >  記事2010年12月22日-a

24軸のホビー用二足歩行ロボットが70冊で完成!
デアゴスティーニ「週刊 ロボゼロ」2月08日に新創刊

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全70冊の合計価格、ベース機体の姫路ソフトワークス製「JO-ZERO」との違いなどが、誤表記していたり、情報不足でした。すべて現在は加筆修正してあります。読者並びに関係者の方にはご迷惑をおかけしました。

毎号パーツが少しずつついてきて、最終号まで買いそろえると完成したり、1ページずつ切り離してバインダーに綴じていくことで1分野やひとつの作品などの百科事典が完成したりするなど、パートワーク雑誌(分冊百科)を週刊や隔週刊でリリースしている株式会社デアゴスティーニ・ジャパン。かつて、「ROBONOVA-I」をベースにしたホビー二足歩行ロボット週刊ロボザックをリリースしていた同社が、その第2弾ともいうべきパーツ付き・ハイスペックロボットマガジン「週刊 ロボゼロ」(リリースはこちら:PDF)を新創刊する。

今回は、有限会社姫路ソフトワークスの二足歩行ロボット「JO-ZERO」をベースにした自由度数24軸の機体「ROBO XERO」(ロボゼロ)が題材。2011年02月08日(火)の創刊で、一部地域を除いて毎週火曜が発売で、全70号で完結だ。創刊号は特別価格で790円(税込)、2号以降の通常価格は1990円(税込)。ただし、コントロールボードが付属する号に関しても特別定価となり、予価4990円(税込)。コントロールボード付属号は40号前後を予定している。また、ただパーツが付属して組み立てマニュアルとなっているわけではなく、ロボットに関連するさまざまな記事も掲載されているのもポイント。バインダーも発売される予定で、バインダー1冊で週刊 ロボゼロを14冊ファイリングでき、通常価格は1290円(税込)だ。ただし、2011年05月末までは特別価格690円(税込)で発売する予定。

そして、ロボゼロ自体の特徴について。まずサーボモータだが、こちらは双葉電子工業製「RS306MD」を採用(同社ロボット関連の詳細はこちら)。ロボゼロ用ということで、通常の同社のラインナップにはない製品だ(JO-ZEROには、「RS304MD」が採用されている)。そして、サーボモータをコントロールするための頭脳であるコントロール(CPU)ボードは、JO-ZEROにも搭載されている姫路ソフトワークス製の「HSWB-03F」の進化型である「HSWB-04F」となる(音声入力はなくなる模様)。

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そしてJO-ZEROとの機能的な大きな違いのひとつが、リンク機構を利用して動かすことのできる(1自由度を持つ)五指のロボットハンドを標準装備していること(JO-ZEROも、将来的には追加パーツが用意されるとのこと)。ボールをつかんだり、文字を書いたり、金網を昇ったり、雲梯(うんてい)をしたりと、市販ホビーロボットでは見たことのない驚異的なアクションの数々を五指によって実現しているのだ。さらにJO-ZEROとの差異だが、ヒザ関節のモータが二重(片足1自由度追加される)になり、足首のモータも差動軸配置から直交軸配置となってより精度が上がっている。そのほか、バッテリもJO-ZEROで使用しているRP-4S780Pから、専用のものに変更となる予定だ(型番はまだ未定とのこと)。

JO-ZEROの優れた部分は当然引き継いでおり、歩いたり走ったりは当然だが、腕だけによる倒立や、片足立ちでバランスを取ってのハイキックなど、人に近い信じられないアクションも行なえる。特に改造もなしにそうしたアクションをできてしまうのは、驚異的な性能といえる。24軸あることや1kgを切るほど軽量なこと、股関節に工夫がなされていることなどが、そうした人間に近いアクションを行える理由だ。ハンドがあることはもちろんだが、ヒザが二重関節になったことや足首の直交軸配置化によって、JO-ZERO以上のアクションを行なえるはずだ。

コントロールに関しては、初心者でも利用できることを考慮し、赤外線リモコンが採用された。また、ロボゼロ本体以外の機材としては、ディスプレイとしても利用できる専用スタンドもコントローラー同様に雑誌で提供される形だ。

JO-ZEROとの外見上で目立つ違いは、胸のエンブレムがまずJO-ZEROの「J」からROBO XEROの「X」に変わっている。さらに、赤色の部分がメタリック塗装になったこと、背面パネルの造形もオリジナルデザインになったことも外見上の変更点。そのほかは、基本的にJO-ZEROを踏襲しており、ホビーロボット格闘技マンガのバイブルである「プラレス3四郎」の作者のひとり(作画担当)である神矢みのる氏デザインのヘッドパーツなどもそのまま採用。赤と黒のボディと相まって、スタイリッシュなイメージをしっかりと受け継いでいる。

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モーション作成用の専用ソフト「XEROコントローラー」はロボゼロ用に開発され、こちらも同誌に付属となる。プログラミングも可能という高機能を持つ本格派である一方で、好みの歩幅や速度などを打ち込むことで最適なモーションを自動作成してくれるなど、これまた初心者に優しい機能を有している。

さらにロボゼロが優れているのは、ユーザーが直接手で動かして作ったポーズを読み取って数値化できること。ホビーロボットのモーション作成は、ソフトの高機能化・利便性の向上で初期よりは比べものにならないほど便利になっているとはいえ、以前敷居の高い部分。しかし、ロボゼロはクレイアニメーション制作や人形遊びのような感覚でモーション作成できるので、決めポーズや破壊力のある攻撃モーションなどもより作りやすいというわけだ。なお、そうした作成データの数々は、ロボゼロ本体にmicroSDカードのスロットが用意されているので(HSWB-03Fにもともと搭載されている)、プログラムなどを簡単にインポートできるようになっている。

また、雑誌としての内容も見逃してはいけない。組み立てマニュアルだけでなく、ロボット関連情報が掲載されているのは当初に述べたとおり。組み立てガイド以外に毎号4章に分けた内容が用意されており、ロボットのキーテクノロジーやキーパーソンをリポートする「ロボット・フロントランナー」、ロボゼロを開発した姫路ソフトワークスの中村素弘氏の監修による初心者向けロボット講座「ロボットラボ」、ロボカップやROBO-ONEなどの競技会や活躍したロボットにスポットを当てる「ロボット・コンペティション」、ロボットが活躍する映画などのメディア作品を取り上げ、そこに登場するロボットとその世界観の持つ魅力にフォーカスする「ロボット・イン・フィクション」となっている。70冊読み終えれば、専門的な知識からエンターテイメント分野まで、ロボットについて幅広く知識を身につけられるというわけだ。

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ということで、いいことずくめのように書いたところで、やはり気になるのは、当然「70冊も買うの?」といった辺り。バインダーを購入しないとしても、70冊の合計でかかる金額は、創刊号790円+通常価格68冊×1990円+コントロールボード付属号4990円=14万1100円(税込)だ。これが高いか安いかというと、軸数の数からいったら、とても安い。他社製品でこの軸数でこの値段の市販品はない(そもそも、市販品で20軸以上のホビーロボット自体がほとんどない)。もともと、20軸のJO-ZERO自体が定価で12万6000円(税込)、アマゾンでも10万3000円ぐらいと安価な価格設定で販売されているのだが、ロボゼロは要素的にかなりパワーアップしている点や、専用スタンド、全号揃えるともらえる読者全員プレゼントのアルミ製ロボゼロ専用キャリングケースなども考慮すると、どちらがお得かは明白だろう。それに、雑誌としての価値もあるので、ロボットを作りたい人にとっては、週刊 ロボゼロはとてつもなくお得なチャンスというわけである。

ただ、注意点はいうまでもないが、完成までには1年半近くかかり、絶対的な根気が必要とされること。しかしそれはまた逆に、毎月1万円前後の出費で済むというメリットとも考えられる。それに、自動的にじっくりとつき合っていくことになるので、二足歩行ロボットの仕組みについて勉強しやすいというのもあるだろう。ロボットに興味があったけど一気に10万円オーバーの出費は厳しくて手を出せなかったという人はもちろんのこと、お父さんお母さんを説得したい小中学生も「月1万円ぐらいで、エンジニアとしての知識が身について、ロボットを組み立てて、動かせるようになるんだよ!」などといえば買ってもらいやすいこと請け合い。ぜひ、今から予約しておこう。

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