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TOP >  メディア >  そのほか(ゲーム) >  記事2010年11月02日-a

思考ルーチン設計がドハマリのロボットバトルSLG
アートディンクの新作「カルネージハート エクサ」

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株式会社アートディンクから10月28日に、ロボットバトルシミュレーションシリーズの最新作「カルネージハート エクサ」が発売された。PlayStation Portable用で、UMD版が5880円(税込)、ダウンロード版が4700円(税込)。インストール機能にも対応しており、大容量のメモリを使用すれば、UMD版を購入してもダウンロード版同様に読み込み音のないより快適なプレーを楽しめるようになっている。基本はシングルプレーだが、アドホック対戦機能を利用することで最大6人でのプレーも可能だ。

本作は、1995年に発売された第1作より数えて6作目となる、歴史のある人気シリーズの最新作。開発陣は、これまでのシリーズ5作品を手がけてきたアートディンクの飯塚正樹氏がディレクターを務める。メカデザインは超ベテランの横山宏氏に加え、松本秀幸氏が担当。そしてキャラクターデザインはイラストレーターの碧風羽氏が手がける。BGMは株式会社スーパースィープ代表取締役の細江慎治氏ほか複数名。さらにシナリオは、ライトノベル作家の榊一郎氏となっている。

ゲームは、さまざまなパーツを組み合わせて無人の戦闘用ロボット「Over Kill Engine」(OKE)を開発し(ボディタイプは全37種類)、戦ってシナリオを進めていくという内容だ。モードはふたつあり、ストーリーに沿って敵を倒していく「シナリオモード」(完全フルボイス実装)と、OKEを自由に設計して任意の相手とのバトルを楽しめる「バトルモード」となっている。

本シリーズ最大の魅力となっているのが、機体のカスタマイズ(ボディ、CPU、装甲、武器といったハードウェア設計とそれらのカラーリングやエンブレム作成など)に加えて、思考ルーチン(ソフトウェア)まで詳細に作れること。要は、機体性能で劣っていても、より賢い思考ルーチンを作れれば十二分に補えるというわけなのである。しかも思考ルーチンは、全52種類のプログラムチップの中から必要なものを組み合わせていくだけという、シンプルかつ奥の深い作りとなっており、実際にあるグラフィカルなGUIを持ったソフトウェア開発ツールのようになっているのだ。

とはいっても「思考ルーチン作成」などと聞くと、初心者の場合、難しそうに感じるかも知れない。しかし、シナリオモードの随所にチュートリアルが用意されているので、ストーリーを進めながら学べるようになっており、気がつくと知識が身についているという具合。しかも、どうしても先へ進めないプレイヤーのためには、「答案サンプル」も用意されているので、行き詰まってしまうことはないのだ。

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プログラムチップには、格闘や射撃といった攻撃系、前進や旋回といった移動系、索敵、条件分岐など多数が用意されている。チップによっては細かく数値などを設定でき(敵との距離、移動すべき距離など)、自分の機体の特性や武器の種類、さらには個人の好みに合わせて索敵・攻撃・回避といったパターンを作れるというわけだ。トライ&エラーでルーチンを改良していけるので、うまく機体性能とかみ合わせることができれば、「自分は補足されずにいち早く敵を補足して遠距離からミサイル攻撃」、「敵の攻撃を回避しながら接近して強力な格闘攻撃で一撃」、「どんな攻撃も回避しながら有利なポジションを確保して連続攻撃」などなど、まさにアイディア次第で無限大という「自分だけの戦い方」をする1機を作れるのである。

また、そうして精魂込めて作った愛機を、友人や全国のプレイヤーの作成した機体と戦わせることも可能。アートディンクが無料で利用できる専用サーバーを用意しているので、全国のプレイヤーとデータを簡単に交換できるというわけだ。交換可能なデータは、機体データ、マッチデータ、リプレイデータ(愛機の戦闘の様子を動画で保存可能)となっている。さらに、前述したように今回はアドホック対戦機能による最大6人による同時対戦(3対3のチーム戦)も実現(シリーズ初)。友人たちと敵味方に分かれて戦えるというわけである。

そして同じく今回初となる大きな要素が、OKEを自分で操縦できるようになったこと! 前作までは、自分で機体と思考ルーチンを設計したら、あとは黙って戦闘を見ているだけという状態だったが、今回は自分でも操作できるアクション要素が加えられたのである。思考ルーチンで自律行動する機体と、プレイヤー操縦の機体が戦うことも可能だし、アドホック対戦で6人全員がプレイヤーの操縦というのも可能。自分で1機を操縦し、もう1機を思考ルーチンで動かすといった複数を受け持つこともできる。自分で戦えるというのはアクション的な楽しみ方ができるというだけでなく、思考ルーチンが思うように動かない時にも非常に役に立つ。自分で戦ってみた時との戦い方の差異を見つけ出し、それをフィードバックして思考ルーチンをブラッシュアップしていけるというわけだ。

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ストーリーは、カリフォルニア工科大学に通う台湾出身の女子学生シュー・チーリンが、ある日、学生生活支援プログラムからアルバイトを紹介されるところから始まる。資産家で身体の一部が不自由な青年カイル・シギサワの家庭教師となり、ロボットの行動プログラムについて教授するという内容だ。あまりにも条件がよすぎることに不安を感じるチーリンだったが、懐具合の寂しかった彼女は仕事を引き受けるのだが、それが波乱の運命に巻き込まれていくのであった……。なお、シナリオモードには、主要キャラがもう1体出てくるのだが、それがシギサワの介護や料理、学習のサポートなどをこなすSR級介護用女性型ドロイドのパルティータ。メイドロボットといった感じである。

ロボットバトル競技会も大会によっては自律クラスなどが設けられているが、本作はそれにつながる要素があり、思考ルーチン設計はこり出すと止まらなくなること間違いなし。ロボット好きには超オススメの1本なので、PSPのユーザーはぜひ購入して遊んでみよう。いや、この際、PSPも一緒に購入してしまってもOK!

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