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京大+電通大合同チームSHINOBIの「HIEI」
タイのTRRC2010で最優秀自律走行賞を受賞

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国立大学法人京都大学国立大学法人電気通信大学の合同チーム「SHINOBI」が、昨年12月14日から17日までタイのバンコクで開催されていたレスキュー系の国際ロボット競技会「Thailand Rescue Robot Championship 2010」(以下、TRRC2010)の自律ロボット部門において優勝、そしてBest Autonomous Award(最優秀自律走行賞)を受賞したことを発表した。

TRRC2010は、ロボカップ世界大会およびロボカップジャパンオープン2011大阪大会のタイの国内予選としての位置付けにもなっており、賞金も約7000ドルが用意されている規模の大きなロボット系競技会だ。70チームが参加したタイ国内の予選を勝ち抜いた8チームが参加し、海外招待の4チームを加えた12チームで競われた。SHINOBIのほかにも、日本からは新潟工科大学なども参加している。

競技内容は、各所に被災者(のダミー人形)がいる災害現場を模したフィールドを舞台に、ロボットによる災害現場の状況や被災者に関する情報収集を行い、その正確さを競うというもの。タイ国内チームの多くがそうだったのだが、遠隔無線操縦型でも参加可能だ。総合優勝に当たるBEST MOBILITY賞は、Rajamangala University of Technology Rattanakosin(ラチャモンコン ラタナコシン大学)の「Succesfully @ RMUTR」が獲得した。

そしてSHINOBIだが、同チームはロボカップで数々の実績を持つ京都大学大学院工学研究科教授の松野文俊氏の研究室が、民間企業との産学連携チームとして2003年に結成したのが始まりで、現在は電気通信大学情報理工学研究科教授の田中一男氏の研究室と合同チームを結成してロボットの開発と大会への挑戦などを行っている。なお、今回の招待は、2009年のロボカップジャパンオープンのレスキューロボットリーグで、同チームが優勝したことが理由だ(つくばチャレンジの参加チームは「OSHINOBI」と少し名称が違うのだが、両研究室によるもうひとつの合同チーム)。

これまで何台ものロボットを開発してきたSHINOBIだが、TRRC2010に送り込んだのは「HIEI」。レスキュー(探索)ロボットらしいクローラ型で、1本アームの先端にセンサ類が取り付けられたスタイルだ。ただし、クローラは特徴的で、左右それぞれふたつのクローラが隣接した形で装備されている。内側のクローラは前輪の径が大きく、外側のクローラよりも前に突き出しており、段差の踏破能力を高めてあるようだ。サイズは全長50cm×全幅42cm×全高60cmで、被災者発見のための熱センサやCO2センサなども搭載している。各種センサから得た情報をもとに、被災者の発見のための走行経路の計画や探査環境の地図作成などを自動で行える機能を持つ。TRRC2010では4回の予選と2回の決勝が行われたが、その中で自律走行型のロボットとしては最も被災者の発見数が多く、受賞に至ったというわけだ。

松野研究室および田中研究室では、今回も含めたこれまでの経験を活かして、今後もレスキューロボットの実用化に挑戦するとともに、レスキューロボット開発に向けたさらなる経験とノウハウを蓄積し、民間企業との実用化を目指していきたいとしている。

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