サブカテゴリアイコン-イベントリポート記事一覧 サブカテゴリアイコン-カレンダー

TOP >  イベントリポート >  記事2010年11月12日-a

CEATEC JAPAN 2010で見たロボットたち-後編
ロボット要素系+αの技術&製品たち

画像01

10月05日から9日まで幕張メッセで行われた、最先端IT・エレクトロニクス展「CEATEC JAPAN 2010」のリポートもいよいよ3本目ということで最終回。今回は、直接的なロボットというよりは、その要素技術や面白かったもの、宇宙関係、そして基調講演にスペシャルゲスト的に登場したPaPeRoの活躍ぶりを紹介しよう。

【エプソントヨコム・6軸センサ「AH-6100LR」】

最初は、エプソントヨコム株式会社のブースから。各種小型センサなど多数を扱っており、記者的に目を引いたのが、3軸ジャイロ+3軸加速度を備えた小型(10mm×8mm×3.8mm)6軸センサ「AH-6100LR」(製品ページはこちら)を利用したデモンストレーション。コンパニオンの女性がヘッドセットを被ってデモを行っていたのだが、その女性が歩くとまるでガンダムが歩いているかのような効果音がするというもの(かなり似せてあるが、ちゃんと許可を得たオリジナルの効果音だそうである)。81to83dbのワイドダイナミックレンジ(200Hz帯域)、ジャイロは±1000deg/s、加速度は±3Gの検出範囲を誇り、足が接地した瞬間のみを検出したり、振り向いたりといった特定の動作だけを確実に検出して、設定された適切な効果音を出すという正確さを披露した。なお、6軸センサとしては最小の消費電力6.1mAも特徴となっている。

そしてもうひとつ、同ブースでデモンストレーションを披露していたのが、4枚ローターでホバリングも自由自在のパロット社のクアッドリコプター「AR.Drone」(詳細はこちら)。iPhoneやiPadで傾けるだけで操縦できる飛行タイプのラジコンで、こちらにも同社の3軸加速度センサが搭載されている。そのホバリング感はちょっと面白いので、動画も掲載してみた。

画像07
【双葉電子工業・サーボモータ「RS601CR」ほか】

続いては、サーボモータでお馴染みの双葉電子工業株式会社。同社のサーボモータを利用したデモンストレーションとして、マスタ・スレーブ方式のロボットアームを披露。ハプティック方式にもなっており、スレーブ側のロボットアームに負荷をかけると、マスタ側にもその負荷が再現されるという具合だ。今回は、製品としてRS485コマンド方式サーボの「RS601CR」や、RS485コマンド方式/PWM方式サーボ「RS405CB」、USB-RS485変換器「RSC-U485」などが展示されていた(同社のロボット用機能部品の詳細はこちら)。また、ロボットとは直接的には関係ないのだが、同社の主力分野であるディスプレイ関連、有機ELディスプレイなども展示。健康管理用の小型デバイスへの応用なども紹介されており、ホビーロボット用のコントローラなどにも利用しても良さそうな案配である。

【三菱電機・人工衛星「こうのとり」ほか】

続いては、三菱電機株式会社ブースから宇宙関係。三菱重工も展示に協力しており、11月11日に愛称が「こうのとり」に決定した宇宙ステーション輸送機「HTV」(記事はこちら)やGPSの日本国内での電波受信を補完する準天頂衛星初号機「みちびき」(記事はこちら)などの1/24サイズのリアルなスケールモデルが展示されていたほか、NASAの観測衛星に搭載され資源探査などに使用されたものと同型の光学センサ「短波長赤外放射計」や人工衛星用リチウムイオンバッテリなども。ちなみに、三菱電機製リチウムイオンバッテリは、人工衛星用としてのシェアでは世界の3割を占めているそうである。

【ヤマハ・エレクトリックコミューター「EC-03」】

また自動車に続いて、バイクも電動化が進んでいるが、この10月01日にヤマハ発動機株式会社から販売がスタートしたばかりのエレクトリック・コミューターの新製品「EC-03」(公式サイトはこちら)も展示されていた。充電は、家庭用100V電源で行なえる。11月から12月にかけて、全国で体験試乗会を行っているので、その乗り心地を確かめたい人は、公式サイトを要チェックだ。

最後は、すでに前編で紹介したPaPeRo(詳細はこちら)が再登場。今年のキーノートスピーチやカンファレンスは、展示物とは逆に具体的にロボットを題材にしたものはなかったのだが、そんな中で唯一登場したのがPaPeRoだったのである。PaPeRoは、コンティニュア・ヘルス・アライアンス代表兼会長で、インテル コーポレーション デジタルヘルス事業本部 パーソナルヘルス推進担当ディレクターのリック・クノッセン氏による「情報通信技術を活用した『つながる』ヘルスケアが実現する健康社会の実現に向けて」と題したカンファレンスに登場した。最後に紹介されたのだが、前編で紹介したように健康管理のインターフェースとしての利用だ。英語だがその部分の動画も収録したので、PaPeRoの活躍ぶりをご覧いただきたい。

以上、3回に分けてお送りしたCEATEC2010リポート、今年はロボットの出展が多かったので、楽しめた方も多いのではないだろうか。講演系はロボットを題材にしたものがなかったのも、逆に著名人がアピールする段階は過ぎたというのもあるのかと思う。もちろん、まだまだロボットは産業とはなっていないので、まだまだ一般家庭に浸透させていく方法を検討していかなくてはならないのだが。ただし、PaPeRoの健康管理のインターフェースとしての使い方や、富士通のクマ型ソーシャルロボットのかわいさなどを見ていると、一般家庭へ浸透する日が少しずつ近づいてきているように希望を感じる。来年もまた面白いロボットが出展されることを期待したい。

前の記事へ ページトップへ 次の記事へ