今年は予選に730チームが参加!
第7回 WRO Japan 2010 決勝大会リポート
9月12日に東京夢の島のBumb東京スポーツ文化館にて、レゴ・マインドストームNXTを使用した、小学生から高校生までによるロボット競技会「第7回 WRO(World Robot Olympiad) Japan 2010 決勝大会」(全国大会決勝)が開催された。今年は全国で18の予選が開催され、過去最高となる730チームが参加。それらを勝ち抜いてこの日集結したのが、レギュラーカテゴリーでは、小学生20チーム、中学生17チーム、高校生28チーム。そしてビデオ審査が行われたオープンカテゴリーでこの日やって来たのは、小学生3チーム、中学生2チーム、高校生3チームだ。各チームは2~3名(+コーチ)で構成されており、500名以上と思われる少年少女たちが、今年はフィリピンのマニラで11月16日(土)・17日(日)に開催される国際大会へのチケットを巡って、熱い闘いを展開した。
レギュラーカテゴリーの各部門の競技内容だが、縦11500mm×横2370mmというボード上をフィールドとして行うのはどれも共通だ。小学生は「ロボット障害物マラソン」。スタートエリアを出発したロボットが、少し移動した先にライン上にあるピンポン玉を拾い、そのまま川や丘、砂利道などの障害が待ち構えるラインをトレースしてゴールエリアを目指すというものだ。
中学生は「ロボット迷宮アドベンチャー」。スタートエリアから出発してライントレースして進んだ先にあるのが、自動開閉ゲート。これをスイッチを押してカーテンを開けてから通り抜け、直後にあるトラップ(ペットボトル)を落とし、そこで左折。その先にあるお宝をゲットしたら左折し、ノーライン状態で障害物のあるエリアを抜けてゴールを目指すというもの。
高校生は、「ロボットクライミング」。ベースキャンプ(スタートエリア)を出発したロボットが、左から順に2本のポールを登り、ポールの頂部に置かれているピンポン玉をゲット。そして、それをベースキャンプに運ぶというもの。ベースキャンプ付近からそれぞれのポールまでや、ポール間のラインは破線となっているのがポイント。しかも、ベースキャンプとポールを最短距離で結んでいるわけではないため、その点もまた難しい。さらにやっかいなのは、ベースキャンプはただラインで区切られているだけなので、その認識もまた難しい。最後の最後で失敗してしまうチームもあるほど高めの難度となっている。
そしてオープンカテゴリーだが、今年のテーマは「ロボットで旅行の楽しさを伝えよう-あなたの国や文化遺産をロボットで紹介」というもの。要は、ロボットを活用して日本や日本の文化遺産などを紹介する形でプレゼンテーションを行なうという内容である。ロボットやそのロボットが活躍するためのジオラマやセットなどの完成度はもちろん、審査員複数名(さらにスタッフや取材陣も多数)を前にして、どうどうとプレゼンテーションできるかという、選手たちにもかなりの比重がある内容である。
改めてこうした大会を見ていて感心させられるのが、同じレゴ・マインドストームNXTを使用しているのに、コンセプトがこうまで各チーム異なるのか、という発想の豊かさ。小学生部門からして各チーム異なるのだが、高校生部門ともなると、通るコースからして1チームごとに異なるほどだ。当然、ポールを登るための機構はチームごとに異なるし、ピンポン玉をゲットするための機構も異なる。理科離れがあらゆるところで叫ばれているわけだが、こういう少年少女たちの創意工夫を見ていると、そう暗くなることもないんじゃないかなと、明るい気分になれる。残念ながら、ビデオのフォーカス用の赤外線がロボットのコントロールに影響を与えるため、動画ではお見せできないのが(記者も親なので気持ちはわかるのだが、保護者席でかなりビデオ撮影が行われていたようなので、禁止事項は大人としてしっかり守ってもらいたい)、非常に残念ではある。
結果は、以下の通り。レギュラーカテゴリーは、上位3チームが表彰され、4位までが国際大会への選抜チームとなっている。そのほか、審査員特別賞と、プレゼンテーションポスターを評価するプレゼン賞も設けられた。オープンカテゴリーは参加7チームすべてが優秀賞を獲得。ただし選抜チームは、1チームしかない中学生部門はもちろんその1チームだが、小学生部門は3チームから2チームが、高校生部門は3チームから1チームが選ばれている(※のあるチーム)。ぜひ、国際大会ではいい結果を期待したい!