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テムザック、デンマークで留守番ロボット
「ロボリア」を利用した福祉介護サービスの実証実験を開始

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株式会社テムザックは6月09日、デンマークに海外拠点となる現地法人を設立、同時に福祉医療ロボット導入の実証実験を行うことを発表した。現地時間で15日にデンマークのファボー・ミッドフェン市庁舎において実験開始式が行われ、実験に使われる現地仕様の「ロボリア」も公開された。

今回の実験は、デンマークで近年、高齢化や移民政策の問題から深刻な労働力不足に陥っていることに端を発する。結果として福祉介護や医療サービスの低下が懸念されることから、それらの問題解決の糸口として福祉医療ロボットの導入が検討された次第だ。

ロボリアは留守中の子どもや高齢者のペットの見守り、防犯などを目的とした小型のお留守番ロボット。全幅27cm×全長26cm×全高26cm、重量約3.25kgと小型のかわいい外観をしている。NTT DoCoMoの携帯電話FOMAによる遠隔操作が可能な点が特徴で、カメラやマイク、スピーカー、人感センサや音センサなどを備えておりコミュニケーションロボットとしての機能も持つ。さらに駆動輪を2個備えているので、移動も可能だ。価格は29万4000円(税込)。

今回は、現地のデンマーク通信会社3の協力を得て、スマートフォンの端末に対応させたデンマーク仕様のロボリア(プロトタイプ)を開発して実験に臨む。実験の第1弾としては、高齢者施設や独居老人家庭などにまず5機のロボリアを数週間に渡って設置し、ファボー・ミッドフェン市所属のヘルパーが市庁舎からコミュニケーションを図るという流れだ。なお、第1弾とあるのは、まず今回の実験に参加したお年寄りやヘルパーなどから体験評価を得て課題を見つけ出し、ロボリア本体やサービスの仕組みなどを改善して次のステップの実験も行う予定だからである。

また、テムザックが日本ではなくデンマークを実証実験の場として選んだ理由は、日本はなかなか導入が難しくて普及が進まないことがひとつ。それに対し、デンマークは新しい技術を積極的に受け入れる風土があり、なおかつヨーロッパの安全規格であるCEマーク取得までの時間が早いことも理由としている。将来的な展望としては、今回の実証実験でまずは高齢者向けサービスのビジネスモデル構築を目指す。そしてデンマーク国内での早期の事業化、続いてヨーロッパ全体への拡大、さらには世界への普及を考えているとしている。なお、デンマーク大使館にアップされている英語のリリースでは動画を見ることも可能だ(リンクはこちら)。

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