「第4回ロボット大賞」受賞ロボットを発表
「HRP-4C 未夢」や「きぼう」ロボットアームなど
経済産業省は25日、「第4回 ロボット大賞」（主催：経済産業省/社団法人日本ロボット工業会）の発表を行った（リリースはこちら（PDF））。ロボット大賞（経済産業大臣賞）は、トヨタ自動車株式会社、株式会社オチアイネクサス、国立大学法人名古屋工業大学、公立大学法人首都大学東京の4社によって開発された、「安全・快適に人と協働できる低出力80W駆動の省エネロボット」が受賞。トヨタの自動車組立工場で既に使用されているFAロボットで、スペアタイヤをトランク内に搭載することを目的としている。人と安全に協業できるのが特徴だ。
同ロボットに対する審査委員会の講評は、「産業用ロボットは通常、モータの出力が高く、安全のため人と隔離して動かすことが必要である。このロボットは低出力のモータとばねのしくみを利用することで、人との協働作業を実現した。工場におけるロボット活用の新たな可能性を示したことが、『第４回 ロボット大賞』にふさわしいと高く評価された」としている。なお、その他の賞は以下の通りだ。
・最優秀中小・ベンチャー企業賞（中小企業庁長官賞）：豚もも肉から自動的に骨を取り除くロボット「HAMDAS-R（ハムダスR）」/株式会社前川電気
・日本機械工業連合会会長賞：注射薬払出ロボットを起点とした薬剤業務支援ロボット群/パナソニック ヘルスケア株式会社・パナソニック株式会社
・中小企業基盤整備機構理事長賞：超高圧送電線の活線点検ロボット「Expliner（エクスプライナー）」/株式会社ハイボット・国立大学法人東京工業大学・関西電力株式会社・株式会社かんでんエンジニアリング・株式会社ジェイ・パワーシステムズ
・日本科学未来館館長賞：「きぼう」ロボットアーム/独立行政法人宇宙航空研究開発機構（受賞に関するリリースはこちら）・日本電気株式会社（受賞に関するリリースはこちら）
・サービスロボット部門「優秀賞」：
1.細胞自動培養ロボットシステム/川崎重工株式会社
2.イチゴ収穫ロボット/独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構生物系特定産業技術研究支援センター・エスアイ精工株式会社（受賞に関するリリースはこちら）
3.「サイバネティックヒューマンHRP-4C 未夢」/独立行政法人産業技術総合研究所
4.ジョイスティック式自動車運転システム/国立大学法人東京農工大学・株式会社ニッシン自動車工業
・産業用ロボット部門「優秀賞」：ゲンコツ・ロボットシリーズ/ファナック株式会社
・公共・フロンティア部門「優秀賞」：消防用偵察ロボット「FRIGO-M」（フライゴー・エム）/三菱電機特機システム株式会社・総務省消防庁消防大学校消防研究センター
・部品・ソフトウェア部門「優秀賞」：D3モジュール/株式会社D3基板技術
26日から28日（日）までは、日本科学未来館でこれら受賞ロボットが展示され（一部ロボットは映像などで展示の予定）、入場無料で見学可能だ。そのほか、27日、28日にはシンポジウムやロボット演劇なども行なわれる予定だ。
