浅草ギ研、「ロボット神経システム」シリーズの新製品は
DCモータコントローラとデジタル出力ボード
ホビーロボット用の数々のパーツを手がける有限会社浅草ギ研から、「ロボット神経システムAGB65」シリーズの新製品として、DCモータコントローラ「AGB65-DCM」(写真左)とデジタル出力ボード「AGB65-D0」(写真下)が、5月20日より発売開始となった。
AGB65-DCMは5V非同期シリアル通信によるDCモータの制御を行え、5V系マイコンとは直結して利用可能なボード。サイズは40mm×50mmで、重量は9gと小型な点も特徴だ。通信速度は最大460Kbps(初期設定は115.2Kbps)。オプションとして、USB、Bluetooth、RS232Cによる接続も用意されている。また、電源回路もボード上に搭載しており、バッテリなどで駆動できる設計だ。
出力チャンネルがふたつある点も特徴のひとつで、それぞれパワーと回転方向を制御でき、個別駆動やふたつ同時駆動もできる。出力はPWM(パルス幅変調)制御により、0から100%までの1%単位で指定を行える仕組みだ。制御できるモータの電圧は最大25V、最大供給電流はチャンネルごとに2Aであることから、一般的にホビー用途で利用されている小型モータの多数に対応可能。
またジャンパ設定のID切り替えにより、4台のボードを同一のシリアルラインに接続することもできる。要は、ひとつのシリアルポートで最大8個までのモータを制御できるというわけだ。そのほか、チューニングが必要だが、インクリメンタル式ロータリエンコーダの接続もでき、パルス数指定による位置制御も可能だ。価格は6300円(税込)。
もうひとつのAGB65-D0は、5V非同期シリアル通信により8個のポートの5V信号出力のオン・オフを行えるボード。サイズは29mm×33mmとAGB65-DCM以上に小型で、重量もわずか5g。8個のポートはそれぞれPWM制御により0から100%まで1%単位で制御を行えるので、LEDに利用すれば明るさの、モータなら速度の調整が可能といった利用が可能だ。同社のAC100Vソリッドリレー製品「AC1000SSR」と組み合わせれば、家庭用AC電源のオン・オフも制御できるようになる。ジャンパ設定のID切り替えをAGB65-DCMと同様に行え、4台のボードを同一のシリアルラインに接続し、最大で32個の出力を制御することも可能だ。価格は4935円(税込)。
ちなみに、ロボット神経システムAGB65シリーズとは、同社のホビーロボット向けのセンサコントローラ・アクチュエータコントローラ群のことで、ひとつのシリアルラインを複数の同シリーズのモジュール(製品)で共用できるのが特徴。今回の新製品2点の紹介で述べたように、各モジュールは電源を内蔵しており、バッテリなどでの駆動を想定して作られている。しかも、複数のモジュールでひとつのバッテリや電源を共有することも配線作業などを行う必要もなく簡単にできたり、各モジュールからは数10mA程度の小出力の5V電源を取り出せるため、簡単な外部回路やICの駆動も可能といった特徴も持つ。モジュール間の通信は非同期シリアル通信のほか、オプションでRS232Cなども使えるので、PCとの接続と制御も容易だ。
ロボット神経システムと銘打っているだけに、ロボットへの取り付けも容易な点も見逃せない。穴の大きさとピッチを5mm単位でほぼ統一しており、同シリーズのモジュール同士をひとつのロボットに取り付ける際に穴の位置を設計しやすい作りなのが特徴だ。