TOP >  最新ニュース >  先週のニュース >  ニュース記事2011年09月20日-c

【TGS2011】セガ、複数のSF系ゲームを開発中
ロボットが重要な役割を果たす「バイナリードメイン」

画像

東京ゲームショウ2011では、いくつかのロボット系のゲームが紹介されていたが、その中のひとつで、まさにロボットが重要な役割を果たしているのが、セガの「バイナリー ドメイン」だ。開発は、映画にも進出し、シリーズ累計で500万本を突破しているゲーム「龍が如く」シリーズを手がける「龍が如くスタジオ」。同スタジオの完全新作第1弾が本作というわけだ。ジャンルは、3人称視点の3Dシューティングに、ドラマ性を大きく加味した“ドラマティックアクション”となっている。SF版「龍が如く」ともいうべき、「命」をテーマにした、熱く濃い物語が展開していく模様だ。

ストーリーは、西暦2080年の東京を舞台に展開する。東京は、地球温暖化の影響による海面上昇に対応するため、50年前から高さ100メートルを超す巨大な堤防を東京湾に建設中だったり、主要機能を守るために構築された上層都市と従来の下層都市の二層構造になっていたりと大きく変わっている。しかも、従来の渋谷、六本木、お台場などは下層都市としてスラム化しており、上層都市に入れてもらえない貧困層が暮らしているという具合。その一方で、前述した街や首都高、ゲーム協賛企業の日清食品やタリーズコーヒー、餃子の王将などの看板や店舗、商品なども登場し、2011年現在の面影を残しつつも、大きく様変わりした2080年の東京が描かれているのだ。

そして、日本自体は二流国に落ちているのだが、その生命線がロボット産業である。その最大手メーカーが、「AMADA社」だ。同社は、ロボットと人工知能の権威である天田洋二博士が創設した企業である。天田博士は、かつては世界中に人型ロボット製品を送り出し、世界に名だたるロボット大国・日本を代表する存在だったが、2039年に自社の技術を登用したとして米ロボット最大手の「ベルゲン社」と法廷で争うものの、敗北。以来数十年にわたって公の場から姿を消していたのだが、2080年に突如ベルゲン社を襲撃した人近似型ロボット「ホロウチルドレン」を開発したとの疑惑により、国連傘下の査察機関IRTA(国際ロボット技術機構)は身柄拘束の指令を出す。その指令を受けるのが、主人公ダン・マーシャル一等軍曹(右下スクリーンショット)が所属する、IRTAの潜入査察部隊「ラストクルー」のメンバーたちというわけだ。

画像

この時代、日本政府は排外主義を採っており、密入国者を躊躇なく射殺するという非常に危険な国となっていた。ダンたちラストクルーのメンバーは、治安維持ロボット部隊によって厳重な警備体制が敷かれている中、生還率の低いミッションに挑むことになる。「サバイバー」の異名を持つダンはそんな状況を楽しむかのようにミッションに挑み、仲間とともに東京の深部へと潜入していくが、そこには人類全体に対する深刻な危機が待ち構えていた。ダンたちはミッションを達成して帰還できるのか? はたして、ホロウチルドレンは天田博士によって開発されたのか? そして、その狙いとは?

そして戦闘については、最大で3人のNPCとともに進められるが、NPCキャラクターには「信頼度」というパラメータが存在し、その高低がストーリーに大きな影響を与える仕組みが特徴的だ。例えば、ダメージを受けた時にNPCに助けてもらえることもあるが、信頼度が低いと助けてくれない場合もある。さらに、NPCが死んでもゲームオーバーとなるので、従来のチームアクションもののようにNPCを「お荷物」として見限ってしまうというようなプレースタイルは採れないのだ。

「お荷物のNPCを連れて戦うのは面倒くさい」などと思う人もいるかもしれないが、従来にない高度なAIを搭載しており、決してお荷物にはならないという。また、敵ロボットのAIもその場の状況に応じて自律的な行動を取る高度なものが搭載されており、装甲が破壊されれば遮蔽物へできるだけ隠れるようにし、頭が破壊された場合は味方すら撃ってしまうでたらめな攻撃をし、足が破壊された時は這ってでも追いかけてくるという細かい行動を取る。それらがザコロボット1体1体に搭載されており、弱い敵だからと気を抜けないというわけだ。また、敵ロボットは20種類以上あり、人型、小型、ビルの4階程度の大型(左下スクリーンショット)など多種多様なロボットたちが主人公の前に立ちふさがる。

画像

また、ヘッドセットを利用することで、音声でNPCと会話を楽しめる音声認識機能も特徴的。戦闘時の戦術提案や非戦闘時の雑談など、ゲーム中ではさまざまなイベントが発生するので、それらへのプレイヤーの返答によっても、信頼度が変化するというわけだ。NPCからの戦術提案を受け入れるとNPCの戦い方が変化し、提案された作戦が成功するとNPCの信頼度が上昇する。逆に失敗すると下がってしまう。なので、何でもかんでも提案を受け入れたり拒否したりというわけにはいかず、正確な状況判断が求められるのだ。

また、NPCがリアルタイムでイベントを発動する新システム「Ripple Link」(リップルリンク)も信頼度と密接に関係しており、要チェックだ。同じステージの同じキャラクターであっても、信頼度によって会話の内容が変わってくる。幾度も楽しめるような作りになっているというわけだ。ちなみに、NPCのラストクルーのひとりというか1体は、IRTA仏国部隊によって開発され、ベルゲン社製最新AIを搭載した多目的戦闘支援ロボット「カイン」。擬似的なユーモア感覚も搭載というロボットである。ただし、その場の空気を読めるほどではないので、メンバーをあきれさせてしまうことも多いらしい。

そのほか、龍が如くスタジオらしく、天田博士の声を竹中直人が担当するなど、キャスティングが豪華なのもポイント。松方弘樹、北村一輝、遠藤健一、竹井咲などが声優として加わっている。その一方で、主人公ダンを山寺宏一が務め、IRTA中国部隊(今回のメンバーは米国のほか、英国、仏国、中国の多国籍的に編成されている)の女性兵士フェイ・リー(中国人民解放軍中尉、総参部ロボティクス戦術班所属)を久川綾が担当したりと、有名声優陣も参加している。

画像

対応機種はPLAYSTATION 3とXbox 360で、発売日は2012年02月16日予定。価格は8390円(税込)。オンラインマルチプレー機能も予定されているが、対応人数は未定だ。

前の記事へ ページトップへ 次の記事へ