TOP >  最新ニュース >  先週のニュース >  ニュース記事2011年07月05日-a

金星探査機「あかつき」、金星観測軌道へは2015年11月頃
軌道制御用エンジン(OME)が使用可能なことが前提条件

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金星探査機「あかつき」(PLANET-C)の調査報告が6月30日に行われ、報告書「『あかつき』の金星周回軌道投入失敗に関わる原因究明と対策について(その3)』がJAXAのサイトにアップされている。過去2回の調査部会の議論において、失敗原因として「燃料側逆止弁が閉塞したこと」と「逆止弁閉塞によってVOI-1中の軌道制御用エンジン(OME)の燃焼状態が設計条件を逸脱しOMEに何らかの異常が発生した」と推定。その後、調査検討と解析、各種検証実験を行い、第3回の報告となった。かなり専門的な内容だが、興味のある方はPDFをご覧いただきたい。

第3回調査部会報告のまとめとして、逆止弁を閉塞させる原因として、「酸化剤の弁シールの透過を考慮することが必要であること」、「逆止弁は燃料・酸化剤反応で生成される塩により、動作が阻害される可能性があること」の結論。弁閉塞によりOMEが受けた影響を検討した上での金星投入に関しては、「VOI-1時にすたすたノズルが破損した可能性が高いこと」、「破損したスラスタノズルを再着火させることの可否を地上試験および搭載エンジン試験噴射により見極め、結果に応じて金星軌道再投入操作の実施に向け準備する」としている。

金星軌道再投入の実現に向けた軌道変更のための運用計画だが、OMEの軌道上テスト噴射を2011年09月上旬に実施。試験噴射結果などを受けて噴射方法を決定し、第2回近日点となる2011年11月に軌道変更を実施するとしている。なお金星軌道投入は、OMEおよび姿勢制御エンジン(RCS)ともに使用できた場合でも2015年11月頃で、観測軌道投入はもちろんそれ以降。OMEを使用できない場合(RCSのみ)になる場合は金星軌道への投入は可能だが、観測軌道までは到達不能としている。OMEが無事であることを祈ろう。

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