「鋼の錬金術師 嘆きの丘の聖なる星」公開スタート
初日は主演声優陣や監督らが新宿ピカデリーで挨拶
原作コミックが累計5000万部を突破した、荒川宏の「鋼の錬金術師」(スクウェア・エニックス刊)。原作、第2期TVアニメの終了から約1年が経った7月02日、劇場アニメ最新作「鋼の錬金術師 嘆きの丘(ミロス)の聖なる星」が封切られた(配給:松竹・アニプレックス)。機械鎧(オートメイル)という、現実のロボットテクノロジーよりもずっと進んだテクノロジーも出てくる作品ということで、ロボタイムズでも少し取り上げておきたい。
今回の映画では、原作でもあまり語られることのなかった、主人公のアル・エドのエルリック兄弟の属する国家アメストリスの西方に位置す国境の街テーブルシティが舞台となる。第2期TVアニメのその後ではなく、間に挟まる完全オリジナルストーリーとなっている。TVシリーズからスタッフは変更となり、監督に村田和也(「コードギアス 反逆のルルーシュ」シリーズ副監督)、キャラクターデザイン・総作画監督に小西賢一(「東京ゴッドファーザーズ」)、脚本は「ホワイトアウト」などの小説家・真保裕一というラインナップとなった。
公開初日となった7月02日(土)には、新宿ピカデリーで主演声優陣と村田監督が舞台挨拶を実施。エド役の朴璐美氏は「重たい存在です。劇場版ができると聞いて、嬉しい気持ちもありましたが、彼(=エド)は私の中に土足で入ってきて全てを持っていってしまうんです。いまとなっては分身のような存在です」とコメント。アル役の釘宮理恵氏は「素直にということを一番に考え、思いやりや優しさといった少年ぽさを心がけて演じてきました」とした。軍人ロイ・マスタング役の三木眞一郎氏は「心のどこかでスタンバイしていました。みんなで集まって、違和感なく『ハガネ』の緊張感の中で収録できました。密度の濃いスタジオでした」という。
映画オリジナルのヒロインであるジュリア・クライトン役の坂本真綾氏は、「何で私を呼んでくださったのか? 理由を聞いてみたいような、でも聞かない方が良いような…(苦笑)。レギュラーのみなさんがずっと作ってきた中に入るのは緊張しました。2日間、必死に取り組み、難しい役柄で勉強になったアフレコでした」と述べている。村田監督は「特にプロデューサー陣の中にこのままお別れするのは寂しいという気持ちがあった」とコメントし、三木氏から「寂しがりの大人たちがよってたかって作ったのか!? もうちょっと健全な理由は?」と突っ込まれた模様。ただし、「さらなるエドとアルの活躍、会ったことのない人との出会いや別れを壮大なスケールとアクションで描きました」とフォローを入れている。
なお同作品はこの後、パリで開催中の「Japan Expo」で上映されるのに加え、北米、香港、台湾、韓国、シンガポール、タイなどでの上映も予定。国際的な展開となっている。