手塚治虫×浦沢直樹のコミック「PLUTO」を
ハリウッドが実写CG映画化!
故・手塚治虫氏の「鉄腕アトム」の中のエピソードのひとつである「地上最大のロボット」をベースにリメイクした、浦沢直樹氏と長崎尚志氏(ストーリー共同制作者)による共著「PLUTO」が、イルミネーション・エンターテインメントとユニバーサル・ピクチャーズにより、ハリウッドで実写版CG映画として制作されることが発表された。イルミネーション・エンターテインメントは、2007年にクリス・メレダンドリ氏によって設立され、北米公開週第1位を獲得した最新作「怪盗グルーの月泥棒 3D」(日本では10月29日から公開)が第1作となっている。また、映画版「PLUTO」の制作には手塚プロダクションも関わり、手塚氏の子息である手塚眞氏が、エグゼクティブ・プロデューサーを担当することも発表されている。
「PLUTO」は小学館ビッグコミックオリジナルで2009年まで連載され、現在までにコミックが850万部以上を売り上げている人気作品。原作との違いは、脇役扱いだったドイツの刑事ロボット「ゲジヒト」が準主役的なポジションとなっていること。世界で最も優秀な7人のロボットを亡き者にしようとして何者かが暗躍するミステアリスな展開と、巨大ロボットとアトムとの戦闘などアクションも満載となっている。
浦沢氏、メレダンドリ氏、長崎氏、そして手塚眞氏が今回の映画化に関してコメントを述べている。
浦沢氏
私は子供の頃から「地上最大のロボットの巻」の大ファンでした。しかし、まさか自分がそれをリメイクして「PLUTO」を描くことになるとは思ってもみませんでしたし、それはとてつもない挑戦でした。今回、その「PLUTO」の実写映画化に挑む新たなチャレンジャーが現れました。大の手塚ファンの私は期待をこめて見守りたいと思います。
メレダンドリ氏
浦沢氏は「PLUTO」で独創的なアクションと冒険に満ちた創造の世界を確立しましたが、私が本作品の権利をぜひ獲得したいと思ったのは、そのキャラクターであり心温まるストーリー故でした。素晴らしい歴史のある手塚プロと、また最も才能ある現代の作者である浦沢氏と一緒に働くことができうれしく思います。
長崎氏
20世紀、日本中の少年がむさぼり読んだ手塚治虫の「鉄腕アトム・地上最大のロボット」――今では伝説となったその作品を、私と浦沢氏は21世紀に「PLUTO」として甦らせました。それは現代の日本漫画界にとっては、タブーを破ることであり、とてつもない冒険でした。その作品がハリウッドで映像化されるのは、我々にとっても、映画ファン、マンガファンにとっても実に喜ばしいことです。ですが同時に、メレダンドリ氏は、我々以上の冒険を引き受けたことになります。どうか日本中、いや、世界中のファンが納得し、興奮し、感動するような作品が生まれますよう、心から願っています。
手塚眞氏
手塚治虫と浦沢直樹のコラボレーション。これは黒澤明と北野武が出会ったような、あるいはフォードの『駅馬車』をルーカスが『スター・ウォーズ』に作り変えたような、マンガの大ニュースでした。さらにそこにグローバルな映画のアーティストたちの手が加われば、その興奮は数倍にもなるでしょう。これがハリウッドと日本の良いパートナーシップのもとに作られる、エポックメイキングな傑作になることを期待しています。