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TOP >  サイエンス・テクノロジー >  テクノロジー >  記事2010年09月14日-a

YRPユビキタス・ネットワーキング研究所と
三井不動産がららぽーと柏の葉でユビキタス実験中

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YRPユビキタス・ネットワーキング研究所と三井不動産株式会社は、ユビキタス技術を活用したサービスの三井不動産の保有施設への導入に向けて共同でサービスの開発を進めている。今回、その活動の一環として、千葉県のららぽーと柏の葉でパイロットサービスを9月20日まで実施中だ。

今回行われているパイロットサービスの核となる技術は、次世代型デジタルサイネージ端末を利用したサービス「Let'sサイネージ」。Let'sサイネージを利用したサービスには、具体的には7種類がある。まず「ららぽーと案内サービス」は、館内1~3階の主立った15ヵ所に設置されたサイネージ端末Let'sサイネージを利用するサービス。Let'sサイネージに小冊子やチラシなどに印刷された目的の店舗のucodeQRをかざすと、その店舗に向かう実際の方角の映像と、進むべき方向の矢印をAR技術でもって重複表示して店舗まで誘導するというもの。15ヵ所それぞれ進むべき方向や店舗を指し示す矢印の向きなどは変化するというわけだ。

「駐車位置確認サービス」は、来場者が車に戻る際に、駐車場の停車位置まで誘導するサービス。来場者は車を降りた時に近くにある駐車カードを取り、そのカードにはエリアごとに異なるucodeQRが印刷されているので、Let'sサイネージにかざすと駐車位置まで案内してもらえるというわけだ。

「店舗情報サービス」は、店舗名称、カテゴリなど店舗の基本情報やクーポン情報、このイベントのために収集した「店長さんのココだけ内緒話」など、店舗に関する複数の情報を見られるサービスとなっている。それにプラスして、「店舗発リアルタイム情報サービス」もあり、こちらは店舗ごとに行うタイムサービスや人気商品の残り点数など、テナントサイドが来場者に向けてリアルタイムに情報発信するサービスだ。

そのほか、館内の店舗やレストランなどに置かれたスタンドに印刷されたucodeQRを携帯電話で読み取り、来場者がその場所に関する「ココが好き」を投稿できるという「投稿ひろば」、5分割されたららぽーと柏の葉のエリアごとに出題される5問のクイズに答えてスタンプを集める内容の「クイズラリー」、ららぽーと柏の葉と周辺地域で実施されるイベント情報を提供する「イベント情報サービス」がある。

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このほか、柏の葉地域に導入予定のユビキタス系サービスとして、まず「インフォスコープ」がある。同サービスは、つくばエクスプレス柏の葉キャンパス駅前148街区を対称としている建築計画建物紹介サービスだ。ディスプレイにカメラが装備された固定式のインフォスコープ端末を利用する形で、このカメラを向けた方角のライブ映像上にCGや文字情報を重ね合わせるというAR技術によるサービスとなっている。

要するに、カメラを建築計画中の場所に向けると、建築計画書から作成されたビルのCGが実際に立っているかのように表示されるというわけだ。また、既存のビルに加えて、そうした建設中、計画中のビルに関しても名称やテナントとして入っている(入る予定の)施設や店舗などの付加情報も表示されるという仕組みだ。同システムは、周辺地域の住民や勤労者、学生並びに同地域への移転を検討している商業施設や住民などに向けて、柏の葉地域の建築計画をわかりやすく伝えることを目的にしている。

 Let'sサイネージの駐車位置確認サービスをさらに強化したイメージのサービスが、「スマートパーキング」(UWBアクティブタグによる高精度測位を利用した駐車位置確認サービス)だ。YRPユビキタス・ネットワーキング研究所が開発したUWB(Ultra-Wideband)アクティブタグによる高精度測位システムを応用しており、同タグの入ったスマートチケットを駐車した車内に置いておくことで、駐車場に設置されたUWB受信局がスマートチケットの電波を受信し、車の駐車位置を高い精度で自動的に識別してくれるというものだ。既に建設済みの既存の駐車場であっても、最小限の機器設置と短期間の簡単な工事だけで、低コストで広域なエリアをカバーできるのが特徴となっている。

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なお、今回の3システムは、総務省の平成21年度ICT経済・地域活性化基盤確立事業(「ユビキタス特区」事業)のひとつである「人々の安心・安全を実現するユビキタス情報基盤:Location Grid」で確立した基盤システムを利用している。Location Gridとは、場所マーカーやセンサなどを活用し、どこで何が起きているかを包括的に把握し、施設内の個々の場所に関する情報を管理する基盤システムだ。ららぽーと柏の葉では平成21年度にLocation Gridを構築しており、火災や地震などの災害発生時に災害の状況や現在地からの最適な避難ルートを提供するための「安心・安全サービス」や、来場者が車を停めた場所まで携帯端末を介して誘導する「駐車位置確認サービス」の実証実験が行われている。

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