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TOP >  イベントリポート >  記事2010年10月17日-a

ロボットのパフォーマンスはもうここまで来た!
未夢、デジタルコンテンツEXPOで華麗にダンス

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14日からお台場の日本科学未来館(以下、未来館)とすぐ真向かいの東京国際交流間で開催されている「デジタルコンテンツEXPO 2010」(以下、DCEXPO)において、16日に独立行政法人産業技術総合研究所(以下、産総研)で開発されたサイバネティックヒューマン(青年女性型二足歩行ヒューマノイドロボット)「HRP-4C 未夢」(以下、未夢)による新技術を用いたダンスデモ「Dance Robot LIVE!-サイバネティックヒューマンHRP-4C」が披露された。最終日の17日も3回の講演が予定されており、11時から同10分、13時15分から同25分、16時15分から同25分となっている。入場は無料だ。

昨年のDCEXPOにおいて宣言された「ダンスロボットプロジェクト」。それを実現するため、産総研ではシステム研究部門ヒューマノイド研究グループでは、CGキャラクターを操作する感覚でロボットのモーションを作成できる新ソフト「Choreonoid」(コレオノイド)が開発され、未夢のダンスモーションはすべてそれで作成された。

ダンスデモ1回目の前に、未来館の裏手にある産総研 臨海副都心研究センターにて、同ソフトの開発を担当した産総研知能システム研究部門ヒューマノイド研究グループ研究員の中岡慎一郎氏によるプレゼンテーション「人間型ロボットの動作を簡単に作成できる統合ソフトウェアを開発」も行われ、専門家以外の人でもどれだけ簡単にモーションを作成できるかが披露された。このプレゼンテーションに関しては、また後ほど詳細を別記事でお届けする。

また、ただダンスするだけでなく、歌を歌いながらとなっており、歌声に関しては昨年のCEATECでのコラボ以来お馴染みとなっている株式会社ヤマハの歌声合成ソフト「VOCALOID2」を利用。今年のCEATECで披露された歌声合成技術「VocaListener」(通称:ぼかりす)も利用し、今回は、Every Little Thing(以下、ELT)の「出逢った頃のように」を歌いながらのダンスとなった。

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 ボーカル音源は、「VOCALOID2」を利用したボーカル音源初音ミク」などを販売しているクリプトン・フューチャー・メディア株式会社で開発された未夢専用のボイス「CV4Cβ」。ただし、ぼかりすを利用することで、ELTの女性ボーカリスト・持田香織さんの歌い方をブレスまで含めてキャプチャーし(要するに真似ること)、未夢が持田さんそっくりに「出逢った頃のように」を歌っている。

そしてダンスについてだが、それはプロのダンサーであり、ダンスクリエーターでもある、TRFにも所属するSAM氏が担当。いくら未夢がロボットとして自由度数が多く、人間に近い動きができるといっても、まだまだできないこともあるため、そうしたことを確認しながら振り付けを考えていき、モーションの入力は中岡氏がChoreonoidで行ったそうである。16日には中岡氏、SAM氏に加え、未夢の生みの親である産総研知能システム研究部門副研究部門長の横井一仁氏、ヤマハの研究開発センターネットビジネスグループの大島治氏、そして進行役として東京大学IRT研究機構特任研究員の石川勝氏による「トークセッション-ロボットコンテンツの可能性-」も開催。その模様も、改めて後ほど別記事にてお届けする。

なお、バックダンサーは「未夢フレンズ」と呼ばれる。MIKIさん、CHIYOMIさん、SACHIさん、RISAさんの4人だ。未夢は、まださすがに彼女たちほど滑らかにかつ激しくは踊れないのだが、それでもこれまでのロボットにはこれだけ人間の中で動いていて違和感のない動きは絶対にあり得なかったので、動画をぜひご覧いただきたい。バックダンサーの彼女たちと未夢が連動するシークエンスなども多々あり、ロボットがコンテンツを表現するための普通のメディアとなる可能性がそこまで来ているのを感じられるはずだ。

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