第18回ROBO-ONE in 新発田 決勝で
見せてもらったナイスファイトの数々
8月29日に、新潟県新発田市の新発田市民文化会館で開催された、ロボット格闘技大会「第18回ROBO-ONE in 新発田」の決勝戦。前日の予選デモンストレーションで上位32位までに勝ち残った選手が1位の座をかけて激突。予選1位通過で優勝候補筆頭だった前田武志さんの「オムニしばたん」がベスト4にも残れずに敗退したり、ちーむトコトコさんの「トコトコ丸」が新機軸の闘いを披露するなど、なかなか面白い大会に。興味深かった闘いをピックアップすると同時に、準々決勝以上の闘いを動画でお届けする。
まずは準々決勝の闘いだが、非常に面白かったのが、トコトコ丸の試合(画像05)。予選の映像をご覧いただいた方はご存じかと思うが、両耳のところに取り付けられたファンは有り余る出力を持っており、トコトコ丸を浮かせてしまうほど。そこで、オペレーターのちーむトコトコさんはある新戦法を考えついたわけだが、それは少々弱点のある技でもあり……。2戦続けて、その先方が見事にはまった初戦の対「ローリングピラニ」(オペレーターは法政大学電気研究会)戦(動画01)と、早くも弱点を突かれて敗退してしまった2回戦の対「Cyclops-x」(HiRossiさん)戦(動画02)をご覧いただきたい。
続いては、準々決勝。第1試合(動画03)は、オムニしばたん対「クロムキッド」(KUPAKUMAさん)。優勝候補同士の対戦だが、体格的にはオムニしばたんの方が有利。しかし……!?
準々決勝第2試合(動画04)は「ドカ はるお」(ドカ プロジェクトさん)対Cyclops-x。決勝トーナメント進出機体の中では1、2を争う大型機であるドカ はるおは、今大会がデビュー戦。トコトコ丸に対し頭脳プレーで勝利して波に乗るCyclops-xに挑む。
第3試合(動画05)は「ガルー」(kumamaさん)対Aerobattler MON☆。こちらも優勝候補同士の対戦で、決勝戦であってもおかしくないカード。体格差ではAerobattler MON☆が有利だが……!?
第4試合(動画06)は「Frosty」(FrostyDesignさん)対「Neutrino」(飛騨神岡高校)。世界初の宙返りロボットとして、予選デモンストレーションで会場を驚かせたFrostyが、飛騨神岡高校伝統の機体Neutrinoの18番引き倒し攻撃をダッキングでかわしながら闘う、息詰まる1戦だ。
そして準決勝。第1試合(動画07)はクロムキッド対ドカ はるお。第2試合(動画08)はAerobattler MON☆対Neutrino。クロムキッドとAerobattler MON☆が決勝戦に進んだ。
決勝戦の前に行われたのが、3位決定戦。Aerobattler MON☆には引き倒し技を読まれてしまっていたNeutrinoだったが、はたして!? 体格で勝るドカ はるおに通じるかがポイントの勝負となった。その試合の様子はこちらだ(動画09)。
決勝戦は、クロムキッドにとっては兄弟機ガルーの敵討ち。Aerobattler MON☆にとっては、これまでの記録の最高位2位を超えられるかどうかの数少ないチャンスとなった。体格的にはかなりAerobattler MON☆が有利だが、これまでの対戦では、オペレーターのなぐさんによれば、クロムキッドには勝てたことがないという。その結果ははたして!? 試合の様子は、こちらだ(動画10)。
3位は、Neutrinoが体格差を克服してゲット。そして優勝は、参戦13回目にしての初栄冠というなぐさんの「Aerobattler MON☆」となり、準優勝はクロムキッドとなった。優勝したなぐさん(画像01)は、13回目の挑戦にしてやっと成し遂げたことに感無量であると同時に、「前田さんのオムニしばたんと闘って優勝したかったですね」と、心残りもある模様。オムニしばたんに勝ったクロムキッドを下したの優勝なのだが、前田さんの1m超&数十kgの超大型機であるOmniシリーズとは、なかなか対戦できる機会がないため、直接対決をしたかったようである。
第18回ROBO-ONE in 新発田は、首都圏や大都市での開催ではないということもあり、エントリー数は少なかったが、終わってみれば、なかなか面白い予選デモンストレーションや、決勝での好勝負を見られた大会だった。行政サイドでもROBO-ONEを評価していたようで、今後、ロボット競技が盛んに行われる地域となるやも知れない。ぜひとも期待したい。