第10回レスキューロボットコンテストリポート
大阪電通大 自由工房の2チームが上位を独占!
8月07日と8日の2日間に渡り、神戸サンボーホールで「サンリツオートメイション杯 第10回レスキューロボットコンテスト」が開催された。今回は、阪神・淡路大震災の復興15年・レスコン10周年を記念したイベント「ロボット×レスキュー2010」の中核として実施。競技会には、7月04日に実施された予選を突破した12チームが参加した。参加チームは、以下の通り。
・アンダス(広島大学 教育学部)
・MS-R(金沢工業大学 夢考房)
・がんばろうKOBE(神戸市立高専)
・救命ゴリラ!S(大阪電気通信大学 自由工房)
・救命ゴリラ!B(大阪電気通信大学 自由工房)
・K.U.R.C.(京都大学 機械研究会)
・SHIRASAGI(兵庫県立大学 ロボット研究会)
・太助隊(産業技術短期大学)
・長湫ボーダーズ(愛知工業大学)
・都工機械電気(大阪市立都島工業高校 機械電気科)
・メヒャ!(岡山県立大学 ロボット研究サークル)
・ROBO+(同志社大学 ROBO+)
同コンテストは、1/6スケールの被災地をイメージしたフィールド上で、レスキューダミー人形「ダミヤン」(センサ内蔵なので、雑な救助は減点となる)を3体、、優しく丁寧でいて素速く救助し、そして搬送するという内容だ。ただし、得点競技ではあるのだが、最高のロボットに与えられる「レスキュー工学大賞(レスキューロボットコンテスト計測自動制御学会賞)」は、必ずしも高得点を出したからといって獲得できないところがポイント。競技での高得点はもちろん重要だが、書類審査、予選競技、技術評価委員(審査員)の評価などすべてが加味された総合評価で決められることになる。そうした中、今回は大阪電気通信大学 自由工房の「救命ゴリラ!S」が栄えある同賞を獲得した。同時に、冠スポンサーの「サンリツオートメイション杯」も獲得ししている。
また競技結果の総合ポイントで第1位を取ったのが、「救命ゴリラ!S」の同門である大阪電気通信大学 自由工房の「救命ゴリラ!B」。総合ポイント第1位に与えられるベストパフォーマンス賞に加え、第6回竸基弘賞レスキューロボットコンテスト奨励賞(NPO法人国際レスキューシステム研究機構)も受賞した。第10回は、大阪電気通信大学 自由工房が最上位の2賞を独占するという形となった。
なお、今回は競技に新たに「救助活動中の新たな出動要請」と「バージョンアップしたガレキ」のふたつを導入。前者は、最初に2体のダミヤンの救助が指示されるが、1体目の救助が完了すると、新たにもう1体のダミヤンの救助が追加で指示されるといもの。最初の1体の素速い救助完了と、3体目に対する競技中の臨機応変な対応がポイントとなる新要素だ。
また、後者は棒状ガレキとオモリをひもでつないだ「連結ガレキ」。簡単に押しのけられないので、ロボットはそれを乗り越える走破性が求められる。さらに、倒れた電柱を模した「倒柱ガレキ」も導入された。乗り越えも可能だが、所定の方向に持ち上げることで路面を平坦にすることが可能だ。また、「家ガレキ」には壁が追加され、屋根と壁が取り外せるように。家屋内のダミヤンを救出するには、これまで以上の精密動作がロボットに求められるようになったというわけだ。
なお、受賞ロボットの全リストは、こちらをご覧いただきたい。また、大会の概要や基本ルールなど、レスキューロボットコンテストについての詳細は、「データベース」メニュー内に新たに設ける予定の「競技会・コンテスト一覧」に近く掲載するので、そちらも後ほど合わせてご覧いただきたい。