テクノロード、二足歩行ロボット用物理演算
シミュレーション「Go Simulation!」を9月18日に発売
テクノロードは9月18日に、二足歩行用物理演算シミュレーションソフトウェア「Go Simulation!」を発売する。対応OSは、Windows XP(SP2以上)、Windows VISTA、Windows 7に対応しており(要「.Net Framewok 3.5」)、価格は1万8000円(税込)。今回発売されるのは通常版で、11月にはプロフェッショナル版も発売を予定している。なお同ソフトは、二足歩行ロボット格闘大会のROBO-ONEでも評価されており、そのシミュレーション大会である「ROBO-ONE on PC」などで公式ソフトウェアとして採用されている形だ。
同ソフトは、物理演算を行って、ロボットの動作を物理的にリアルにシミュレートできるソフト。ロボットが動作してバランスを崩してしまったことで転倒したり、フィールド上に設置されている障害物を動かしたりするといった現実世界に近い物理的な動作をシミュレーションできるようになっている。こうしたソフトの多くは、専門的で高度な知識を必要とするが、同ソフトではユーザーインターフェースを工夫。専門家以外の一般ユーザーでも、簡単に操作できるのが特徴となっている。
主な機能としては、まずモーション作成および編集機能だが、ロボットのポーズをタイムラインに沿って並べていくだけでモーションを作成できるようになっている。いわゆる、CGアニメを作る感覚で作業を進められるというわけだ。
さらに、設計エディタを利用することで、ロボットや格闘を行うためのステージの3Dモデルデータの作成も可能。ロボットの寸法、質量、関節、サーボモータなどを細かく設計でき、自分で所有するロボットはもちろんのこと、アニメやゲームなどの架空のロボットのシミュレーションまで行えるようになっている。ちなにみ、STLファイル形式とXファイル形式の一部に対応しており、3DCG作成ツールやCADソフトで作成したロボットのポリゴンデータを取り込める形だ。あらかじめ市販ロボットのモデルデータも収録されており、近藤科学製「KHR-3HV」、同「KHR-2HV」、同「KHR-1HV」、HPIジャパン製「G-ROBOTS」の4種類が入っている。もちろんこの4種類でデータは終了ではなく、今後同社公式サイトにて、新しいロボットデータやシミュレーションを行うためのステージデータなどを配信する予定だ。
そしてシミュレーション機能「ゲームモード」では、ロボット2機による対戦格闘「バトル」や、障害物コースを走ってタイムトライアルに挑む「ダッシュ」が用意されている。なお、そうしたシミュレーション結果は、AVI形式の動画として保存することも可能だ。また、シミュレーション機能の中核となる物理演算APIには、ロボット系学会の論文の多くでも使用されている、「ODE」(Open Dynamics Engine)を採用。安定した物理シミュレーションを提供してくれるというわけだ。
また、11月に発売を予定している大学・研究機関向けのプロフェッショナル版は、The MathWorks社製シミュレーションおよびモデルベース開発ツール「Simulink」およびナショナルインスツルメンツ製グラフィカル開発環境「LabVIEW」との連携機能、C++用ユーザー制御ライブラリ(DLL)開発プロジェクトなどが追加される。価格は、テクノロードまで問い合わせというとだ。
そのほか、使い勝手を見てみたいという人のため、無料デモ版も用意。同社公式サイトからダウンロードでき、ゲームモードの「バトル」および「ダッシュ」を楽しめる。バトルでは、AIを搭載した対戦ロボット(赤)が用意されており、ゲームパッドダイアログを出して、そこから操作して自機(緑)を移動や格闘させることが可能。ステージがノーマルの「battle」と八角形の「ROBO-ONEリング」の2種類。ダッシュは3種類のコースを用意。自機を操作して、障害物をよけて移動する「ダッシュ」、さまざまな障害物が立ちはだかる中を抜けていく「アスレチック」、細いクランク上のコースを落下せずに移動する「クランク」となっている。制限としては、設計エディタが使用できないほか、ロボットやステージデータはインストール済みのもの以外は使用できないという具合だ。
なお製品の予約に関しては、ヴイストンロボットショップオンラインやテクノロジアウェブショップ、Amazonで受付中となっている。