JAMSTEC、新型の海中無人探査機の名称募集中!
11月30日〆切、機体完成は2012年03月を予定
独立行政法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)では、2012年03月頃の完成を目指して、海底下および海底面の探査に活用できる新型の無人海中探査機(人工知能搭載の水中ロボット)を開発中だ。そこで、この探査機の機体名称の募集を行っている。2011年11月30日(水)17時が〆切で、10月からは提案のあった名称の人気投票も実施する予定だ。
応募資格は、減速して日本国内在住で、海外からの応募も受け付けはするが、副賞の抽選対象から外す場合があるとしている。応募は、JAMSTECの公式サイト内の応募フォームから行う(はがきやFAXなどでは受け付けていない)。応募基準は、「無人探査機の名称にふさわしいもの」、「機体の特徴を表現したもの」、「日本の海洋研究開発の新しい時代を切り拓いていくイメージのもの」としている。もちろん、現存する水中ロボットなどと重複するのは採用されない。
選考方法は、外部有識者およびJAMSTEC職員で構成される選考委員会を設置し、提案された名称の内、JAMSTECの探査機として最もふさわしいと判断したものを決定するとしている。機体名称の発表は、2011年12月下旬頃だ。副賞は、決定された名称を提案した方、人気投票で決定された名称に投票された方の中から抽選で若干名にJAMSTECオリジナルグッズが贈呈される。
そして新型探査機の特徴について。同探査機は、水中ロボットとしては一般的と成ってきたAUV(Autonomous Underwater Vehicle)と呼ばれる人工知能をもった探査機の一種だ。潜航可能深度は3000メートル(JAMSTECの稼働中の無人探査機ハイパードルフィンと同程度)、巡航速度は大人が歩く速さ程度の2~3ノット。全長はシロイルカ程度の5メートル。種類としては巡航型で、深海の長距離ランナーという感じだ。機能は、音波で海底地形を調べたり海底下を探査できたりすることがひとつ。また、方向転換が自由なので急な坂でも越えることが可能という「航行自由度の高さ」もある。
複雑な海底地形を詳細に知るため、海底の近くを正確に航行することで、海底に眠る資源の可能性を探ることをも目的としている。水中ロボットにとって難しいことは、潮の流れの中で直線的に航行すること、180度の回転を行って並行に往復する動作を行うことを同時に実行することだ(要は、右の画像のように移動すること)。まっすぐ航行することと回転性を上げることは、相反する性能のため、今回の探査機には工夫が凝らされている。そのひとつが、まず4台のスラスターを搭載して力強く進めるようにしたこと。もうひとつが、8枚の羽根を制御することで最大限の性能を出せるようにしたことだ。そのほか、資源を見つけるためのさまざまな装置を搭載する能力も有する。磁力計や音波探査装置などを搭載し、海底表面や海底下を探査し、海底資源の可能性のある場所を探していくのである。日本の領海は広く、かなりの海底資源が眠っていると目されており、もしかしたら新型探査機の活躍が「資源大国日本」につながっていくかもしれない。大いなる成果を期待しよう。